<日本で大成功した中国人>日本のITバブル崩壊に希望を見出す!日中企業の協力は爆発的なエネルギー生み出す

Record China    2017年1月3日(火) 7時50分

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ビジネス界は戦場だ。昔から中国人は、利益を追求するため頭を働かせる商人の様子を「リスクに富を求める」「商人に善人はいない」などと形容している。もしビジネス界にその形容に合わない人物がいれば、素人扱いされる。しかし、本当にそうだろうか。

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技術を知らなくても高収入に

『礼記・中庸』には、「凡そ事予めするときは則ち立つ。予めせざるときは則ち廃たる。言前に定まるときは則ちつまずかず、事前に定まるときは則ち困しまず。行前に定まるときは則ち疚しからず。道前に定まるときは則ち窮まらず」とある。事前の計画と準備がなければ勝利も成功も得られない。これは王遠耀の座右の銘である。

彼は多くのIT 企業からIBMの子会社を選び、この会社の業務について徹底的にマーケティングをおこない、入念に企画書を作成した。この企画書には二つの特長があった。一つは目の前の現実に立脚した点である。当時日本は阪神淡路大震災が発生した直後だったが、IT産業は災害に対する予測が足りず、データのバックアップ開発も不十分で、多くの企業は膨大なデータと電子資料を失った。市場は十分なバックアップサポートとデータ復旧の提供を急ぎ求めていた。

企画書のもう一つの特長は未来に着眼した点である。王遠耀が就職した1995年、IT産業は5年後の2000年問題を抱えていた。初期のコンピューターのプログラムの問題によって、2000年1月1日以降の日時に誤作動が起きる可能性があり、関連の強い部門(電力、エネルギー、銀行、政府機関など)では2000年1月1日0時のコンピューターの機能停止が大きな問題となる。しかし、その当時はまだその問題に対する関心は大きくなかった。

1995年4月18日、王遠耀は入念に準備し、勝算を持ってIBMの子会社に入社した。面接試験の際、彼は落ち着いた、物慣れた様子を見せた。面接試験を受けた他の人たちは賢明に自身とITとのつながりをアピールしたが、彼の一言は面接官たちを驚かせた。「私はソフトウエアを勉強していないし、IT も分かりませんが、プランニングできて営業は得意です」。

一般の人にすれば、これは無責任な発言のように見える。しかし、王遠耀はあわてることなく自身の企画書を取り出し、IT市場の精密な分析をとうとうと論じ始めたのである。コンピューターは企業や家庭に入り込んでおり、空気や水のように生活と切り離せないものになっているが、平時でも災難に備える意識はまだ普及しておらず、データのバックアップと復旧に従事する企業は少なく、レベルも低い。大震災によってITのハードウエアも被害を受けただけでなく、IT産業のソフトウエアも大恐慌に直面し、数十年蓄積したデータは瞬く間に水泡に帰した。日本は自然災害の多い国であり、地震、津波、台風が次々に起こり、もしIBMがデータのバックアップと復旧の分野に力を入れれば、人々の「コンピューター防災意識」を啓発できるだけでなく、まだ未成熟の市場の開発に踏み込める。バックアップのサポートは企業のデータ保存上の保険と同じであり、各種の天災への備えは必須である。企業が今から5年後の2000年問題に注目すれば、ただちに「データバンク」を売り出すことで、事は自然に成就し、大きな利益を得られるのである。

1週間後、王遠耀は採用通知を受け取り、新しい人生の道が開けた。ここで彼は智恵をしぼっただけでなく、仕事でもさらに細心に計画、ポジショニングした。顧客との触れ合いの中で、彼はビジネスのインスピレーションを触発され、顧客の現状と潜在的ニーズをくみ取り、会社の利益と顧客の満足を両方勝ち取った。彼は顧客からのフィードバックに基づいて会社にパナソニックからのデータバックアップ機器の導入を提案し、包装して企業に向けて発売すると大成功を収めた。IBMの日本中の子会社と支店すべてでこのサービスを導入した。

4年間の仕事の中で王遠耀は日本の47都道府県すべてを回った。月曜日から金曜日まで、彼は自宅で夕飯を食べたことがなかった。ほとんど毎日顧客の接待をしていたのだ。努力は人を裏切らない。彼の先見性に溢れた絶え間ない努力によって、販売成績は会社でもトップクラスとなり、給料も社内では並ぶ者がなかった。2000年に会社を辞めた時の彼の年俸は1000万円を超え、日本では高給取りであった。

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