中国人女性が語る、日本人上司が気づいていない上司の魅力

月刊中国ニュース    2017年8月6日(日) 14時50分

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中国では古代から、孔子の儒教の思想に基づいて、「君臣有義」という伝統的倫理観を元に上司と部下との関係が定められてきた。組織に忠誠を尽くすというよりも、リーダーとの個人的関わりのほうに一体感を覚えやすい。資料写真。

2つ目は、部下の成長過程で避けては通れない失敗のチャンスを与えることである。これも、今の日本会社では最も欠けている組織風土であろう。組織イノベーションや思い切った改革は、ますます厳しい競争にさらされる中国市場に置かれた日系企業にとって、勝敗を分ける境目となっている。中国から撤退した企業の多くは、そのような社員が育っていないため、それが退場という運命にたどり着いた一因にもなっている。

僕は、大連を訪問した際、ある日系企業の女性管理者に出会った。彼女は最初、日本企業に4年間勤め、上司の信頼を得て課長に昇進するチャンスを手に入れた途端、突然辞職して米国系企業に転職した。ようやく米国企業で実績を積み上げた時期に、またも別の日系企業に戻ってきた。40代になろうという時期に、安定を求めて日本企業に復帰してきたのは理解できるが、なぜ昇進の軌道に乗った当初、元の日系を辞めたのか彼女に訊いてみた。すると、彼女はきっぱりと言葉を返してきた。

「それは、失敗のチャンスを与えてくれなかったからです」。さらに、話を続けた。「日本企業の上司は、部下が失敗しそうな状況を察知した途端、必ず足を引っ張ってきます。まるで子どもが川に近づこうとしたときに、すぐ止めさせる親みたいです。しかし、米国企業の上司は違います。部下が川に落ちそうなのを見ても見ないふりをする。泳げない様子を確認して、はじめて手を差し伸べます。だから、自分が将来、遠くまで泳げるように成長をはかりたいならば、若いうちにどうしてもその失敗のチャンスを逃したくないのです」。この女性は、意外に日本人上司が気づいていない上司の魅力の一つを語っていたかもしれない。(提供/月刊中国ニュース)

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