「藤本タツキ短編集 17-21・22-26」の感想=独創的な創作の道を振り返る―台湾メディア

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19日、台湾のポータルサイト・巴哈姆特に「藤本タツキ短編集 17-21」と「藤本タツキ短編集 22-26」の感想が掲載された。写真は藤本タツキ短編集 17-21。藤本タツキ

2025年10月19日、台湾のポータルサイト・巴哈姆特に「藤本タツキ短編集 17-21」と「藤本タツキ短編集 22-26」の感想が掲載された。

記事はまず、「藤本タツキ氏の作品はタイトルだけではテーマを推測できず、無関係に思える設定を組み合わせることで、読者の思考や感情を刺激する。例えば『ファイアパンチ』の狂気的世界観と哲学性、『チェンソーマン』の魅力的なキャラクターと型破りな物語、『ルックバック』の創作動機と感動的な展開、『さよなら絵梨』の架空的な視点などである」と説明した。

その上で、「藤本氏の創作の本質を理解したいなら、彼の作品に『人肉』『異種間関係』『妹』『人生の意味』『強い女性』『性描写』といったテーマがなぜ多いのかを知るためにも『藤本タツキ 17-26』は見逃せない」とした。同作は「藤本タツキ短編集 17-21」と「藤本タツキ短編集 22-26」の中から8作品をアニメ化した作品で、11月8日からAmazonの動画配信サービス・Prime Videoで世界独占配信される。

そして、「久しぶりに『藤本タツキ短編集 17-21』と『藤本タツキ短編集 22-26』を読み返したが、当時は笑いどころばかりに目がいっていた。しかし今回のアニメ化を機に、藤本氏の独創的な創作の道を改めて振り返ると、これらの作品がどのようにして現在の作風を築いたのかを再確認できる」とし、次の4作品の感想を述べた。

1作目に「庭には二羽ニワトリがいた。」を挙げ、「デビュー作の同作から藤本氏の才能がうかがえる。冒頭、宇宙人が日本の学園ラブコメ風に登場し『宇宙人が世界を支配する』という世界観を短く示す。宇宙人は人間を食べるが鶏は食べないため、主人公の2人が鶏のかぶり物をして逃れる。このユーモアには人間の肉食倫理への軽い問題提起も含まれる。物語後半では善良な宇宙人の同級生が2人を救おうとするが殺され、さらに男性主人公が実は宇宙人であることが明かされ、ヒロインを守るため自らの正体を示す。短編ながら感情の起伏があり、藤本氏の裏切りとキャラクターへの容赦ない死の演出が見られる」と言及した。

2作目に「佐々木くんが銃弾止めた」を挙げ、「主要人物は川口先生に想いを寄せる佐々木くん、女神のように優しい川口先生、そして中学時代に告白を断られた恨みで武装して教室に現れる桑野の3人。物語は対比によって進行し、佐々木くんは夢に向かい努力し、信念を守る姿が描かれ、夢を諦めれば何も得られないことを示す。藤本氏は物語構成やコマ割りに注力しており、授業中の銃乱入や弾丸を手で受け止めるようなとっぴな展開は、後の作風の特徴となっている。アニメでは声優の演技により感情表現が豊かになり、佐々木くんの幻想もユーモアを増幅させるだろう」とした。

3作目には「恋愛は盲目」を挙げ、「他作品に比べると比較的一般的な恋愛喜劇で、告白をためらう様子や相手への強い思いなど、恋愛中の行動を描いている。主人公は翌日海外へ留学する予定のため、帰宅途中に告白を試みる。道中、天候不良や教師の指示、強盗、さらには宇宙人による地球破壊計画などの障害に遭うが、それでも主人公の愛がどんな困難にも揺るがない。随所にある藤本氏独自のユーモアも読者を笑わせる」と評した。

4作目には「シカク」を挙げ、「愛のない暗殺者と3500年生きる吸血鬼の物語。性格が奇抜で危険な女性キャラクターが登場する初期作品で、冒頭から2人の個性を際立たせており、物語では他者からの支えや互いを認め合える関係の重要性が描かれる。また誕生日ケーキを通して、吸血鬼の『生きること』に対する態度の変化を表現している点も特徴的である」と論じた。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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