高市早苗氏が首相に、中国の「最初の反応」が実に意味深長だった―中国メディア

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「牛弾琴」は22日、「高市氏が首相に就任、中国の最初の反応は実に意味深長だった」との記事を掲載した。(出典:内閣府 https://www.kantei.go.jp/)

中国国営・新華社系の「環球雑誌」副編集長が開設したアカウント「牛弾琴」は22日、「高市早苗氏が首相に就任、中国の最初の反応は実に意味深長だった」との論評記事を掲載した。

記事は、「われわれが望むか望まないかに関わらず、日本の首相がまたしても交代し、高市早苗氏になった。日本史上初の女性首相という歴史を作ったとも言え、確かに容易なことではない。だが、性別はあくまで外面的なものであり、より重要なのは高市氏の政権運営の方向性だ」と述べた。

その上で、「一通り見たところ、西側メディアを含め、彼女への評価はおおむね芳しくない」とし、その理由を「政策があまりにも極端で保守的すぎるからだ。あまりの保守ぶりに、一部の欧州メディアすら快く報じていない。この世界にはすでにトランプ氏一人で十分厄介なのに、今度は『女性版トランプ』が現れたというわけだ」と評した。

そして、「はっきり言えば、高市氏は一貫して反中姿勢をとり、中国を中傷する発言を繰り返してきた。南京大虐殺を否定し、中国脅威論を盛んに煽り、台湾問題についても妄言を繰り返している」と批判。「閣僚の立場で靖国神社をたびたび参拝しており、平和憲法の改正を主張している。彼女の最大の特徴は『女性』ではなく、『保守』だ」と論じた。

高市氏の首相就任が決まったことを受け、日本の記者から日中関係への影響を問われた中国外交部の郭嘉昆(グオ・ジアクン)報道官は、「われわれはこの結果に注目している。これは日本の内政問題だ」としつつ、「中日両国は互いに近隣国。中国側の対日関係における基本的立場は一貫して明確だ。中日4つの政治文書の各原則を遵守し、歴史や台湾など重大な問題に関する政治的約束を守り、2国関係の政治的基盤を維持し、中日戦略的互恵関係を全面的に推進することを望む」とコメントした。

記事は、この中国側の反応は「実に意味深長だ」とし、2点を指摘した。1点目は「正式な祝福がなかった」ことだとし、「通常、一国の指導者が就任した際には外交儀礼として当然祝意を表す。別の場で表明するかもしれないが、少なくともこの『最初の反応』においてはそれがなかった。同じ日の記者会見でボリビアの新大統領が選出されたことに関する質問では、郭報道官は祝意を表している」と指摘。「この温度差はしばしば、実際の両国関係の温度差を表す。ここ数年の日本の歴代指導者たちの言動を見れば、心から祝意を表するのは難しいだろう。ましてや、高市氏には中国人が到底受け入れられない言動が多々あるのだから」とした。

2点目は「レッドラインを明確にした」ことだとし、「『基本的立場は一貫して明確』というのは常識的な話だ。日本では首相が5年で4人も誕生し、政策が次々と変わるが、中国は常に一貫している。とりわけ注目すべきは『歴史や台湾など重大な問題に関する政治的約束を守る』という点。石破茂氏の首相就任時にも似た表現はあったが、ここまで踏み込んでいなかった。しかし、高市氏の就任時にはこの1文が『必須』になった。約束を破るとどうなるのか、中国側は言及していないが、最悪の事態への準備はすでに整えているのではないか」との見方を示した。

記事は、高市政権の誕生によって今後の日中関係の行方には3つのパターンが考えられると言及。第1に「高市氏が路線を転換し、周辺国との協力を強化して私たちを驚かせる可能性」を挙げ、「これは前例(ニクソン氏)がないわけではないが、こうした戦略的な先見を持つ政治家は、ごく少数の中のさらに少数。高市氏は間違いなくそのタイプではない。したがって、非現実的な幻想を抱くべきではない」とした。

第2に「現在の日中関係を維持し、比較的抑制的な姿勢を示すケース」を挙げ、「この場合、日中関係は良くも悪くもならず、現状維持で次の首相の誕生を待つことになる」と述べた。

第3には「高市早苗が自身の極端な保守路線を貫き、突き進む可能性」を挙げ、フランスメディアの報道を引用しつつ「彼女の狙いは日本主導のインド太平洋地域を構築すること、つまり日本をインド太平洋地域の『反中拠点』にしようとするものであり、この地政学的傾向は外交危機を招く危険がある」と論じた。

記事は、「中国を色眼鏡で見ることに慣れてしまった人々は、結局中国を敵視する立場から抜け出せない。たとえその政策が、自国の利益を深刻に損なう結果を招くとしても」とし、「現在の日中の力の差を考えれば、中国を敵視する日本の指導者が誕生することは望ましくないにせよ、それが現実になったとて、彼女に中国をどうすることができるだろうか?現在の日本の政界構造から見れば、高市氏は苦労の末ようやく首相の座を手にしたが、1年政権を維持できれば上出来、2年続けば奇跡、3年も続けば——まあ、それは考えすぎだろう」と皮肉った。

そして、「日本は高頻度で首相が交代するという常態に回帰しつつある。高市氏がどれほど意欲に燃えていたとしても、奇跡を起こすのはあまりにも難しい」と主張した。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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