米中競争加速の中、バランス外交で地域安定を図る東南アジア諸国―仏メディア

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12日、RFIは米中の競争が加速する中で東南アジアがバランス重視の多元的な外交政策によって地域の安定を目指していると報じた。

2025年10月12日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、米中の競争が加速する中で東南アジアがバランス重視の多元的な外交政策によって地域の安定を目指していると報じた。

記事は、ベトナムのトー・ラム共産党書記長は9〜11日に北朝鮮を訪問し、中国の李強(リー・チアン)首相やロシアのメドベージェフ前大統領らと共に平壌での朝鮮労働党創建80周年記念式典に参加したと紹介。ベトナム最高指導者の訪朝は約20年ぶりであり、両国は国防や外交、衛生分野での協力協定に署名し、金正恩氏も社会主義建設と国家発展の強化に向けた協力の意欲を表明したと伝えた。

さらに、ベトナム通信社の報道として、両国首脳が国際情勢についても意見交換し、国連やASEAN地域フォーラムなど多国間の場での連携強化に合意したとも伝え、こうした外交動向について「米中の競争激化に直面する中で、東南アジア諸国が外交力を強化し、中堅国としての存在感を高めようとする動きの一端を示している」と評した。

また、オーストラリアシンガポールが包括的戦略パートナーシップを強化したことにも言及。経済協力や気候変動対策、人工知能、医療など多領域で協力を強化する計画のほか、今後10年間に80のイニシアティブ、20の覚書、11の対話機構を設置し、軍事面も含め国家安全保障の深化を図ることが盛り込まれていると紹介した。

その上で、シンガポール紙・聯合早報がこの動きについて「地域内で大国間の激しい競争に直面する小国による外交の模範」と評価し、国際法治秩序の維持に向けた志を同じくする国との協力の重要性を指摘したことを報じた。

記事は一方で、東南アジア地域には緊張も存在するとし、今年5月よりタイとカンボジアが国境紛争により関係が緊張し続けていることを指摘。国境地帯では断続的な衝突が発生し、国際舞台では両国外交官が激しく主張を交わしていることを伝えた。

そして、この紛争に対する米中両国による関与の動きも見えはじめており、トランプ米大統領がタイ首相に書簡を送り調停支援の意向を伝える一方、中国の駐カンボジア大使が「カンボジアの国家主権を支持する」とコメントしたことを紹介。中国大使の発言はタイ国内で中国による偏向介入という見方や、政治家の親中姿勢に対する批判を呼び起こし、新任した中国の駐タイ大使が両国を「良き隣人・友人・親戚・パートナー」とフォローするなどの動きが見られたことを伝えた。

記事は最後に、「これらの情勢は東南アジアが避けられない大国間競争の挟間で複雑な政治的現実に直面していることを示している」と評する一方で、一層深まる経済的協力とは裏腹に中国に対する東南アジア世論の信頼は依然として低く、中国の動きが政治的な不安定要素となり得る可能性を示唆した。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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