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中国チベット自治区西部のガリ地区にある1000年以上の歴史を持つ「塩羊古道」。近年、観光ブランド化の整備が進められ、この古道に新たな息吹がもたらされている。
中国チベット自治区西部のガリ地区には1000年以上の歴史を持つ「塩羊古道」がある。中国メディアは「近年、現地では粗塩加工工場の改修や塩羊古道の観光ブランド化の整備が進められ、この古道に新たな息吹がもたらされている」と伝えた
中国通信社(CNS)によると、1000年以上前、地区には50以上の塩のキャラバンが駐在し、自然の塩を羊や牛の背に載せて運びながら放牧し、プラン県やシガツェ市、さらにはインドやネパールまで運んでいた。青稞(チベット大麦)やレンガ茶、布など生活必需品と交換することで「塩羊古道」の伝説が育まれた。
ガリ地区ゲギェ県の擦咔郷には、チベット北部最大の塩湖「章倉三湖」がある。これは「ルマレンブ錯」「ジガ錯」「カチン錯」の三つの塩水湖から成り、総面積は121.5平方キロに及ぶ。
標高4000メートルを超える高寒地帯で穀物は採れないが、塩資源が豊富なため、地元の牧民は歌やことわざに塩運びの文化を残し、羊に塩を載せて遠方に運んだ。往復は2~3カ月を要し、最大規模の塩隊は1000頭以上の羊で隊列を組んだと伝えられる。
現在は交通の発達や生活環境の改善により、牧民が塩を担いで穀物と交換する必要はなくなったが、その伝統は続いている。2018年には「塩運びの習俗」が西蔵自治区の無形文化遺産に登録された。同時に塩産業の近代化も進み、擦咔郷では加工工場の改修や新工場建設、設備更新を行い、「塩羊古道」ブランド製品の開発やパッケージ刷新にも取り組んでいる。
19年から24年までに擦咔郷で販売された塩は870トン、総売上は425万元(約8794万1000円)、純利益は278万元(約5752万3730円)に達した。雇用者は593人、賃金総額は116万元(約2400万2720円)に上り、住民への分配金は累計761万元(約1億5746万円)になった。24年の1人当たり可処分所得は1万9700元(約40万7632円)という。
CNSは「地元政府は今後さらに観光と文化資源を融合させた発展計画を進める方針だ」と報道。岩絵や石柱群、古遺跡などの歴史資源を生かし、「全域観光」の新たな名所を目指す。既に観光サービスセンター、塩浴体験施設、湖と山を一望できる展望台が完成しており、将来的には羊に塩を載せて運ぶ古道の情景を再現し、観光客が1000年の歴史を体感できるようにする計画だ。(編集/日向)
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