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中国によるレアアースの輸出管理に関連して、外資企業によるレアアースの大量備蓄への警戒と、中国に生産ラインを移す外資企業が増える現象が発生している。写真はレアアース鉱山。
中国メディアの観察者網は15日、中国のレアアース「輸出管理」に関する記事を掲載した。
中国はレアアースについての「輸出管理」を実施している。具体的には、輸出案件ごとに申請書を提出させ、審査に合格した場合にのみ輸出を認める。中国は「輸出が滞っている」との不満の声を受けて審査を迅速化しているが、それでも前年同期に比べれば輸出量は低い水準だ。中国はまた、外資企業によるレアアースの大量備蓄を警戒しており、対抗策を実施しているという。中国側の出方を踏まえて、中国に生産ラインを移す外資企業も増えている。
中国は「輸出管理」の理由について、レアアースは軍民両用物資であり、「輸出管理」は国際的な慣行に合致しているとの説明を繰り返している。さらに、審査によりレアアースの輸出が滞っているとの不満の声については、審査を迅速化していると説明している。
実際に、中国税関総署によれば、6月の中国から米国へのレアアースを利用した磁石(レアアース磁石)の輸出量は前月比660%増の352.8トンだった。中国からのレアアース磁石の輸出総量は前月比157.5%増の3188トンだった。しかし、前年同月比では依然として38.1%減の状態だ。
ただし、アナリストの間では、6月に、より多くの輸出業者が許可を取得したことから、7月の中国のレアアース磁石の輸出量はさらに増加する可能性があるとの予測が出ている。中国側の輸出申請に携わる関係者は英紙の取材に対して、業界団体やビジネスロビー団体が企業の緊急需要を訴えれば、中国側は柔軟に調整し、とりわけ逼迫(ひっぱく)している企業の申請については審査を加速させることもあると説明したという。
一方で、米国の米中貿易全国委員会(USCBC)が7月に行った調査では、会員企業の半数が、自社のレアアース関連輸出申請の大半が「審査待ち」状態か却下されたと回答した。調査報告書は状況について、「すべての申請は逐一審査され、不備が発見されれば処理が遅れるか、申請が差し戻されることもある」と説明した。報告者はさらに、「大口注文、特に申請者の過去の平均水準を超える注文については、中国側がより厳格な審査を行い、潜在的な備蓄行為を防止している」と特筆した。
もう一つ注目されていることは、中国側の現行の輸出許可制度が、外国企業に対して、中国国内で部品の全生産工程を完結させることを促している点だ。レアアースそのものやレアアースを含む磁石の輸出には許可が必要だが、磁石を内蔵した大型部品、例えばスピーカー、ヘッドフォン、ゲーム用コントローラーなどは審査を免除される。
米国に本社を置く電機メーカーのリーガル・レックスノードのルイス・ピンカム最高経営責任者(CEO)は取材に対して、同社はすでに一部の生産を中国へ移転し、中国国内でレアアース磁石と製品の組み立てを完了させることで輸出面の困難を軽減していると説明した。「フィナンシャル・タイムズ」も、多くの西側企業が輸出制限を回避するため、完成品の生産ラインを中国へ移転していると伝えた。
新華社はレアアースの輸出問題についての論説記事で、中国の目標は「輸出を規範化する」ことであって「輸出を禁止する」ことではなく、「規則を順守する貿易を円滑に促進する」ことであって、ビジネスの正常な往来を遮断することではないと主張した。論説はさらに「『デカップリングや供給網断絶』への不安や、(中国が)『戦略兵器』として扱っているとの幻想に陥るよりも、中国の新たな統治規則を理解し受け入れることに、より多くの精力を注ぎ、率直な対話と協力を通じて、この重要な資源が平和的かつ持続可能な枠組みのもとで、今後も世界の科学技術の進歩とグリーン転換に貢献し続けることを共に維持すべきだ」と論じた。(翻訳・編集/如月隼人)
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