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16日、仏RFIは、中国が世界の鉱業において独占的な地位を確立した経緯や背景、そのリスクについて論じた記事を掲載した。
2025年7月16日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国が世界の鉱業において独占的な地位を確立した経緯や背景、そのリスクについて論じた記事を掲載した。
記事は、フランスの週刊誌《快報》によると、中国は海外の鉱業部門への投資を過去10年以上で最高水準に引き上げ、世界的な優位性をさらに強めていると紹介した。
そして、エネルギー転換や電気自動車(EV)などの重要産業に欠かせない各種鉱物の生産で中国が優位を築いた背景について、欧米諸国が環境や労働条件の問題から国内の鉱山を閉鎖し、生産を海外に移してきたことを指摘。この空白を埋めるべく中国が鉱業開発に積極的に乗り出し、過去15年間で数千億ドルを世界の鉱業プロジェクトに投資してきたのだと解説した。
その上で、中国アルミ業が昨年8月にフィリピンの金・銅鉱山に20億ドルの投資を発表すると、10月には中国冶金工業集団がアフガニスタンの銅鉱山に50億ドル以上を投資する計画を公表、11月にも複数企業がザンビア政府に銅とコバルトの生産増強に向けた投資を約束するなど、中国企業が戦略的な投資を積極的に進めている状況を紹介。今年に入ってもブラジルやガーナ、カザフスタンで金や銅の鉱山を買収する動きを見せていると伝え、リチウムなどのレアアースについても海外鉱山保有数をこの5年間で大きく増やしているとした。
記事は、中国が国内鉱山の開発のみならず、世界的な鉱業の支配を進める背景について、経済的な要因よりも「国家安全保障上の決定であり、国家建設の視点から資本配分を行っている」と専門家が指摘したことを紹介。また、EVやバッテリー、太陽光発電などのエネルギー関連製品や、ハイテク製品で国内経済を動かすためにも国内外の資源を必要としているとも伝えた。
一方で、リスク許容範囲が広く、国からの強力な支援を受けることで業界で優位に立つ中国企業による世界の鉱業市場進出に対して欧米諸国が警戒感を強めており、カナダ政府が22年に中国企業3社に対して国内鉱業企業の株式売却を強制し、米国も「インフレ抑制法(IRA)」で保護主義的措置を取っていると紹介。欧州では同時に中国依存を脱却して鉱業の安全を確保する動きも出ており、今年3月には47の戦略的プロジェクトを発表したと伝えている。(編集・翻訳/川尻)
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