【観察眼】日本人留学生の谷川響さんに「いいね」

CRI online    2025年7月6日(日) 12時0分

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南京大学に在学中の谷河響さんという名の日本人留学生が一つの社会実験をした。

南京大学に在学中の谷河響さんという名の日本人留学生が一つの社会実験をした。谷河響さんは今年の春節前、ヒッチハイクで南京大学から北西へ3000キロ以上離れた新疆ウイグル自治区ウルムチに向かった。前後合わせて16人の運転手に無料で乗せてもらい、21日後に無事にウルムチに到着した。

谷河響さんは中国のSNS「小紅書(RED)」に写真や文字、動画を投稿して、今回の旅を記録した。冬の寒さの中での長い待ち時間、体調不良、慣れない食事…彼が経験した旅の苦労は想像をはるかに超えた。だが、最後には「楽しかった、刺激的だった、心が暖まった」という言葉で今回の旅を総括した。出発前、彼はこの旅の最大の難しさは「中国人はあまり日本人を助けたがらないだろう」と予想していたが、後に取材に応じた際、「運転手は私が日本人だと知っても、変わらず親切に助けてくれた」と語った。谷川響さんのストーリーは中国のメディアで報道され、大きな反響を引き起こした。日本駐在の呉江浩大使もXに谷川響さんのストーリーを投稿した。筆者も一民間人として谷川響さんに「いいね」を送りたい。それは谷河響さんが先入観を捨て、勇敢に中国の北西部に足を運び、自らの目で中国を確かめたからだ。中国ではこのような日本人が大歓迎される。

2024年に中日両国が実施した「中日世論調査」の結果によると、日本に対する印象が「悪い」または「全体的に悪い」と答えた中国人回答者の割合は87.7%で、中国に対する印象が「悪い」または「全体的に悪い」と答えた日本人回答者の割合は89%だった。その他にも、長年にわたって、日本のメディアの中国報道には往々にして偏見と誤解が含まれており、日本の人々の中国に対する認識に深刻な誤解をもたらしてきた。例えば中国で偶然に発生した日本人学校の小学生が襲われた事件についての日本メディアの報道は、どうも中国社会の治安状況が悪いという印象を与える。また、一部の日本人が中国で罪を犯し、逮捕されると、日本メディアの報道では「中国の法律に問題がある」「警察は十分な証拠もないまま人を逮捕する」といった感じを与える。多くの日本人は長年このようなニュースに接していると、知らず知らずのうちに中国は治安状況やビジネス環境が悪く、旅行やビジネスでいくのは危険で、行かない方がいいのではないかと、思い込むようになってしまっている。

だが、南京大学の谷河響さんの中国に対する印象はそれとは異なる。では、自分が慣れ親しんだ環境を離れて、より遠い北西部の町に行ったら、中国人の日本人への接し方は違ってくるのだろうか。彼はこうした思いに駆られて、ヒッチハイクでの東部から北西部までの長い旅を始めた。谷河響さんは、乗せてくれるという運転手に、自分は日本人だと伝えていたそうだ。出会った17人の運転手のうち1人には断られたが、今回の旅を振り返った時、「旅先で知り合った中国人は、ほとんどが助けの必要な人を見れば手を差し伸べてくれる人たちだった」と語った。小紅書のユーザーは谷河響さんの旅行日記のコメント欄に、「あなたのストーリーをより多くの日本人に見てもらい、両国国民の偏見や敵意がますます少なくなるよう願う」「あなたのような日本の若者が増えてほしい。浙江省へようこそ、もしかしたら、また違ったヒッチハイクの旅になるかもしれない」などの書き込みを残した。

谷河響さんは卒業後、ドキュメンタリーを制作する監督になりたいと考えている。偶然にも、南京には有名な日本人ドキュメンタリー監督の竹内亮さんが暮らしており、彼の中国のSNS・ウェイボーには現在、520万人のフォロワーがいる。彼はドキュメンタリーを通じて本当の中国の姿を日本に紹介し、より多くの日本人に中国のことを知ってもらうよう尽力している。谷川響さんも将来監督となり、中日交流を促進するユニークで面白い企画を生みだしてくれるのではないかと信じている。

国の交わりは民の親しみにあり、民の親しみは心の通じ合いにある。そして、中日両国人民の友好的な未来は青少年に託されている。昨年末、北京で開催された中日ハイレベル人文交流協議メカニズム第2回会議では、青少年の相互交流訪問を大いに推進し、留学生の相互派遣を強化するという10項目の重要な合意がなされた。過去2年間に、中国人民対外友好協会の一つの機関だけで日本から3000人以上の青少年を中国に招いており、今年の計画ではさらに多くの日本の青少年を中国に招くとともに、中国の青少年の日本訪問も予定されている。

現在、中国は日本に対して30日間のビザ免除政策を実施しており、日本人は個人でもビジネスや観光、親族訪問、交流訪問などで気軽に中国に来られる。筆者は長年の取材で、日本の青少年が交流のため中国に来るたびに、その多くが中国を好きになる光景をよく目にしてきた。谷川響さんのように独自の方法で中国を体験し、リアルでカラフルな中国を日本の人々に紹介する日本の青少年がますます増えてくれることを期待している。(CMG日本語部論説員)

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