中国国家市場監督管理総局は6月30日、法に基づき、条件付きでANAホールディングス（HD）による日本貨物航空（NCA）の株式買収を承認しました。

ANAHDは2023年7月10日、日本郵船の保有するNCAの流通株式を全て取得することで、NCAとその株主との間で契約を締結しました。取引完了後、ANAHDはNCAの株式100％を保有し、NCAの単独経営権を掌握しました。

2023年8月30日、中国国家市場監督管理総局は、ANAHDのNCAの株式取得に関する事業者集中独占禁止申告を受けました。2023年10月8日、同総局は申告された資料が独占禁止法第28条の規定に適合していることを確認し、この件を受理し、初歩的な審査を開始しました。

本件は、中日航空貨物輸送サービス市場の日本の2大航空会社の合併に関わるものです。中国国家市場監督管理総局は審査過程で、取引が中日間の航空貨物輸送サービス市場の競争に及ぼす可能性のある影響を重点的に評価しました。審査によると、ANAHDとNCAは中日航空貨物サービス市場における輸送力の合計シェアが比較的高く、取引は中日双方向航空貨物サービス市場の競争に悪影響を及ぼす可能性があることが判明しました。同総局は、こうした事業者集中が中国-日本、日本-中国路線の国際航空貨物輸送サービス市場において競争を排除、制限する効果がある、あるいは効果を有する可能性があると判断しました。取引後の関連市場の公平な競争を確保するため、ANAHDは既存の貨物地上サービス契約を継続履行すること、関連契約の更新を拒否しないこと、新規参入者に貨物地上サービスを提供すること、一部フライト便のスロットを譲渡することなど複数のコミットメントを提示しました。これらの制限条件は、中日航空貨物輸送サービス市場の開放性と競争性を維持し、市場独占リスクを防止する上で有益です。

今回の条件付き承認決定は、市場競争の維持と消費者利益の保護の必要性を十分に考慮し、中国独占禁止法執行機関が国際航空貨物輸送サービス市場を注視する姿勢を示しました。（提供/CRI）