中国が牛耳るレアアース市場、フランスが「主権」を取り戻すには―仏メディア

Record China    2025年7月5日(土) 14時0分

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1日、仏RFIは、中国がほぼ独占状態にあるレアアース分野においてフランスが主権を取り戻す方法について論じた仏メディアの報道を紹介した。

2025年7月1日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国がほぼ独占状態にあるレアアース分野においてフランスが主権を取り戻す方法について論じた仏メディアの報道を紹介した。

記事は、仏紙エコーの記者による文章を紹介。文章は、中国が米トランプ政権の貿易戦争に対応して4月初めにレアアースの輸出規制を実施し、これによって輸出許可審査が滞って自動車メーカーへの納品が遅延し、一部では生産停止の危機に瀕したと伝えた。その後中国政府が輸出許可の規制を緩和したものの、レアアースの90〜100%が中国で生産・精製されている状況の中で、専門家からは欧州企業がより責任ある行動を取り、在庫の確保、供給源の多様化、フランスをはじめとする欧州における生産能力開発に向けた公共部門との協力促進を進めるべきだと提言されていることを伝えた。

また、産業界が企業文化と戦略的課題を見つめ直し、短期的な低コスト調達から脱却して長期的で多様な調達を優先するよう行動変革が求められているとの指摘もあることを紹介。フランスが国としてレアアースの戦略的備蓄を検討するのであれば、産業界は数か月分の備蓄を維持する必要があるというフランス経済財務省関係者の話を伝えた。一方で「在庫確保にはコストが生じるため、企業は投機的な立場になる。このような市場に慣れていない産業界にとっては適応が難しい」とし、企業が短期間のうちに一定の在庫を確保することが難しいという現実的な問題も考えなければならないという経済学者の指摘を紹介している。

文章は、フランス政府が中国に依存しないサプライチェーン構築に向けて約10億ユーロ(約1700億円)を投じており、フランス国内での精製やリサイクルを含む産業能力の発展に加え、南西部ラクでの日本政府との共同による精製工場設立や、英国企業LCMの新工場建設誘致など、国際的なパートナーシップの構築に取り組んでいると紹介。中でもベルギーの大手化学メーカー・ソルベイが欧州最大級のレアアース工場となるフランスのラ・ロシェル工場を稼働させ、欧州全体の需要量の30%を賄える生産能力を持つことを伝えた。

その上で、フランスや欧州でのレアアース開発、供給網構築は中国から供給を受けるよりも高コストになる可能性があるものの、レアアース供給確保の「保険」のようなものであり、安定したレアアース供給を得るための代価と考えるべきだとした。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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