中国の大学の卒業証書はなぜ魅力を失ったのか―英紙

Record China    2014年10月18日(土) 21時0分

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7日、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国で国内の大学の卒業証書に対する魅力が失われた理由について報じた。写真は中国の大学の卒業風景。

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2014年10月7日、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国で国内の大学の卒業証書に対する魅力が失われた理由について報じた。9日付で参考消息(電子版)が伝えた。

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中国では近年、中国国内の大学卒という学歴が魅力を失っており、数十万の家庭が国内での大学進学を選ばず、子供を海外へ送り出している。こうした現象は、年を追うごとに勢いを増しており、米国では現在、外国人留学生の3分の1を中国人が占める(28万7000人)までに至っている。

中国の教育専門家は、その理由として「過度の管理化や低レベルな教育方法、腐敗、学問の自由の欠如」などを挙げる。

中国は、かつて世界で最も先進的な教育制度を備えていた。1970年代末に大学制度が正常に回復し、学生を再募集し始めた頃は、当時の人口10億人に対し、年間わずか25万人しか大学に進学できなかった。その後、募集人数が急増。2012年の大学卒業生は約700万人に達し、大学入試に参加した学生の4分の3が入学できる状態へと変わった。

もちろん、これらの数値がすべてを代表しているわけではない。専門家は「国内の大学教育システムからは創造性を備えた人物が育っていない」と批判する。

政府もこうした問題を意識し、2010年から10年間に及ぶ大学システムと大学入試制度の改革計画の実行に着手している。だが、スケジュールがすでに中間地点に近づいているにもかかわらず、専門家によると、その成果は多くないという。旅行などを通じて海外の教育システムに触れる機会が多くなった中国人家庭の多くが、現状のシステムに満足しなくなってきているためだ。

21世紀教育研究院の熊丙奇(ション・ビンチー)副院長は「中国の高等教育の問題は、大学が政府によって過度に管理され、自治権がないことにある」とした上で、「その結果、すべての大学が一律化され、注目を集めるのは教育の質ではなく、規模になっている」と指摘する。

改革計画では、大学の管理権を中央政府から地方へ移し、その後、各大学へ引き渡すことになっている。また、大学に対しても、学生に対する選抜権などより多くの自主権を持たせ、大学入試制度を緩和していく計画だ。

だが一方で、中国人民大学で昨年末、学生募集に関連し関係者が逮捕される事件が発生するなど、新たな問題を引き起こす結果も招いている。

2007年に新設された「深せん南方科技大学」は大学入試制度を介さずに学生募集を開始した。だが、数年後には大学入試の得点を学生選抜の主要な基準とせざるを得なくなってしまった。

結局のところ、改革計画は壮大な意気込みで始められたが、真に実行できるものはごく限られた一部分でしかない。(翻訳・編集/HA)

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