中国で外国語学科が大規模廃止=専門家「押しとどめられない流れ」―中国メディア

Record China    2025年6月23日(月) 20時0分

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中国のニュースポータルサイトの観察者網に22日、「外国語学科が大規模な廃止に見舞われている」とする文章が投稿された。

中国のニュースポータルサイトの観察者網に22日、「外国語学科が大規模な廃止に見舞われている」とする文章が投稿された。

文章によると、全国一斉の大学入試「高考」が終わり、学科選択をめぐる議論が再び白熱している。ここ2年、外国語学科の学生は就職難に見舞われ、学生募集を停止した大学も少なくない。

中国科学技術大学は2023年に英語など6学科の廃止に関する通知を出し、英語学科を廃止した最初の「985大学」となった。24年には対外経済貿易大学と北京語言大学が日本語翻訳やイタリア語通訳などいくつかの修士課程の募集を停止する通知を出した。済南大学は朝鮮語やドイツ語など9学科の募集を停止し、瀋陽航空航天大学は英語など10学科の募集を停止した。河南大学や上海財経大学、西南交通大学なども外国語学科の募集を停止した。

教育部が公表した18〜22年の高等教育機関の学部学科届け出・審査結果によると、109大学で計28の外国語関連学科が廃止された。うち26大学が日本語学科を廃止し、21大学が英語学科を廃止し、10大学が朝鮮語学科を廃止した。

近年、多くの省で外国語学科の学生の就職率が低いことから「レッドカード」が出されている。例を挙げると、湖南省ではスペイン語が就職率が低い学科ランキングに入り、安徽省では就職率が低い20の学科に朝鮮語、アラビア語、英語(翻訳)が入った。

外国語学科を卒業しても給料は楽観できない。ある報告書によると、22年に外国語学部や文学部を卒業した人の半年後の月収は5547元(約11万940円)で全国平均の5990元(約11万9800円)を下回った。19年に外国語学部や文学部を卒業した人の3年後の月収は8052元(約16万1040円)で全国平均の9074元(約18万1480円)を下回った。

復旦大学外国語言文学学院の教授で、教育部大学外語教学指導委員会副主任を務めたこともある蔡基剛(ツァイ・ジーガン)氏は、「外国語学科の大規模廃止は押しとどめられない流れだ」とし、その例として英語学科を挙げ、「実際にはその教育は、単純な文学や文化を通して学生の英語の基礎を養成するにとどまっている。学生は言語スキルやコミュニケーションツールを学ぶだけで、社会のニーズに応えたりニーズを満たしたりすることはできない。社会で大量に必要とされているのは、外国語と文学や言語学を融合させた人材ではなく、外国語と外交や経済貿易、法律、ジャーナリズムなどの関連分野を融合させた複合型人材だ。社会主義市場経済は、そうした人材の育成を外国語学科の教育に求めているのであり、それはまた新時代の要請でもある」との認識を示した。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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