中国によるレアアース輸出規制対策、米業界の重鎮「これは短期決戦ではない」―香港メディア

Record China    2025年6月21日(土) 7時0分

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19日、香港メディア・香港01は、レアアース資源をめぐる国際情勢について米国の業界関係者が「長期戦になる」との見方を示したことを報じた。

2025年6月19日、香港メディア・香港01は、レアアース資源をめぐる国際情勢について米国の業界関係者が「長期戦になる」との見方を示したことを報じた。

記事は、米ブルームバーグが報じた内容として、米国のレアアース業界に長らく携わってきたマーク・スミス氏の話を紹介。スミス氏は中国のレアアース輸出規制が厳しさを増す中、西側諸国が困難な道のりに直面する可能性があると警鐘を鳴らしている。

記事によると、スミス氏は2010年ごろに米国唯一のレアアース鉱山だったモリコープの責任者を務めており、中国が日本へのレアアース輸出を規制したことを契機として鉱山から磁石までの一貫したサプライチェーンを構築しようと尽力したものの、中国の輸出再開とそれに伴う価格下落、そして米国政府からの十分な支援が得られなかったことで、モリコープは15年に破産してしまったという。

そして今スミス氏は、中国がレアアース輸出規制を強める中で、米国が自国の供給能力を早急に確立する必要性を強く訴えている。スミス氏は現在ネブラスカ州で新しい鉱山を開発して、中国が最近輸出を制限したテルビウムやジスプロシウムを含む重要なレアアース元素の抽出を目指している。

ところが、すでに必要な環境許可をすべて取得し、建設開始の準備はできているにもかかわらず、実際の生産開始は早くても29年になるとのこと。スミス氏はこの時間の長さが「西側諸国のレアアース加工能力構築において直面する時間と技術の課題を浮き彫りにしている」と指摘した。スミス氏によると、米国内のほとんどの採掘プロジェクトが許可取得の訴訟や控訴に苦しんでいる中で、自分のプロジェクトが許可を得られたこと自体が「異例の成果」なのだという。

スミス氏は、10年に中国からレアアース輸出を規制された日本が迅速に行動し、オーストラリアのライナス社を政府資金で支援したことを高く評価しており、今やライナス社が中国以外で最大のレアアース供給業者となり、日本の需要の約3割を満たしていることを「模範事例」と称した。一方で、テルビウムやジスプロシウム、サマリウムといった重希土類の生産システムではなおも中国が圧倒的な優位性を持っていると指摘。米国やオーストラリア、カナダにはこれらの資源が存在するため、国内に量産施設を建設することで中国の優位性を削れる可能性はあるものの、その実現は「長く困難なプロセス」になるだろうと率直に語った。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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