拡大
米国では中国系住民などに対する不信感が拡大している。米国ではなく「出身国に忠誠心」の見方も拡大している。写真はニューヨーク市内のマンハッタン。
米国のアジア系住民の地位向上を目的とするアジア系米国人基金(TAAF)がこのほど発表した2025年版の「在米アジア系住民社会追跡調査(STAATUS)によると、「アジア系米国人は米国よりも出身国に対して忠誠心を持っている」と考える米国人が40%に達したことが分かった。21年には21%だった割合は、ほぼ倍増した。STAATUSは21年から毎年発表されている。
米国におけるアジア系住民の中では、インド系と中国系の人口はほぼ同じで、インド系の方が多いとの見方もあるが、米国人が一般的に「アジア系住民」としてまず思い浮かべるのは中国系など東アジア系住民だ。STAATUSによると、「アジア系住民として思い浮かべるグループは中国系」と回答した人は46%で、「インド系」と回答した人はわずか6%だった。
また、回答者の28%は、「アジア系米国人は非アジア系の人々に対してあまり友好的ではない」という見方に多かれ少なかれ同意しており、その主な理由として最も多く挙げられたのは、「多くのアジア系米国人が他のアジア系としか交流していないように見える」ことだった。
また、「中国系米国人が米国社会にとって何らかの脅威になることを心配していますか」との問いに対しては「全く心配していない」の回答は73%で、「少なくとも多少は心配している」は27%だった。
米国では、州議会が中国国籍者の不動産購入を制限する法案を検討する動きが広まっているが、STAATUSによると、回答者の約4割が、米国内に居住する外国人が土地を所有することを禁じる法律を支持する考えを示した。今後の推移によっては、米国国内に不動産を所有する外国系住民が、不動産を手放さざるをえなくなる可能性もある。
米国におけるアジア系住民差別の典型例とされるのが、第2次世界大戦中に日系人が強制収容所に隔離されたことだ。日系人には、所有していた不動産を安価に買い叩かれるなどの、経済上の損失も発生した。同件については1976年に当時のフォード大統領が「誤りだった」と表明し、88年にはレーガン大統領が、強制収容を経験した日系人に対して正式に謝罪した。しかしSTAATUSでは、第2次世界大戦時の日系米国人の強制収容は間違っていたとの主張にはっきりと同意した回答者は44%にとどまった。
STAATUSでは、アジア系住民への扱いについて、米国人全体の考え方とアジア系住民自身の受け止め方に大きな違いがあることも浮き彫りになった。STAATUSによると、回答者の48%は「アジア系住民は公正に扱われている」との見方を示した。この割合は2021年の第1回調査では30%で、回を追うごとに上昇し続けてきた。一方で「公正に扱われていない」は21年の調査では59%で、回を追うごとに下落して今回の調査では32%だった。ところが、アジア系米国人の63%が日常生活で不安を感じており、今後5年以内に差別の被害者になることを懸念しているという。(翻訳・編集/如月隼人)
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