韓国社会の分裂はなぜ加速するのか―独メディア

Record Korea    2025年4月28日(月) 21時0分

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27日、独ドイチェ・ヴェレは、6月に大統領選挙を控える韓国で社会の分裂がますます進んでいることを報じた。写真はソウル。

2025年4月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、6月に大統領選挙を控える韓国で社会の分裂がますます進んでいることを報じた。

記事は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免に伴う大統領選挙が6月3日に行われるまであと6週間となる中で、社会全体の分裂がなおも深刻な状態であり、新政権のリーダーシップにより団結する状況がほとんど見えてこないと伝えた。

その上で、メディア学を専門とする閔成宰(ミン・ソンジェ)米ペース大学教授が「韓国では権威統治や民主化、経済の変遷、北朝鮮への態度といった要因からしばしば政治の二極化が起きているが、今回の二極化は有史以来で最も深刻」と分析し、昨年12月に尹氏による戒厳令発布以降イデオロギーの二極化が急速に進んだとの見方を示したことを伝えた。

また、閔氏が尹氏について、強硬的な保守派の間で「進歩派の影響を阻止する砦」とみなされたことで熱狂的な支持層が生まれ、党派寄りのメディアや一部地域における忠誠心の強さが分断を激化させる要因になったと論じたことを紹介している。

さらに、韓国国立公州大学のイム・ウンジョン教授(国際関係学)が、物価高や高騰する住宅価格といった問題が国の衰退という印象を与え、特に若者の焦燥感につながっているほか、日増しに憂慮が強まる北朝鮮の脅威に関して左右両派の意見対立が激しくなっていると指摘したことを紹介。保守的傾向が強い年長者と積極的な政府支援を求める若者の間に存在する世代のギャップも、対立激化の一要因であるとの認識を示したことを伝えた。

記事は、閔・イム両氏の見解として、ソーシャルメディアが韓国の政治的分断を加速させる主な推進力になっているとも指摘。ネット上には政治的な内容があふれており、特に右派系のコミュニティーでは各種の陰謀論や特定のイデオロギー要素を含んだミーム、ニュースの一部を切り取った文章がファクトチェックなしに拡散しているとした。また、ネット上では極端な言論や人身攻撃が横行し、それが現実世界にも影響を及ぼしていること、さらにはソーシャルメディアに依存する若者たちが長文を読んだり分析的な議論ができなくなっていることなどを紹介している。

その上で、激化が続く韓国社会の分裂が今後短期間で緩和する可能性は低く、問題解決には「政党や政治家が支持者を喜ばせて票を稼ぐための言動を繰り返す政治システム」を始めとする深層的な構造改革が必要であること、若い世代でも分裂が進んでいるため、次世代になっても問題が解消できない可能性があることを指摘し「韓国の未来は、継続的な緊張と対立に満ちた険しい道のりになるだろう」と結んだ。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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