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中国では日本料理店が大いに増えた。高級店の場合には普及度が中華料理店をも上回る状態だ。一方で、日本料理店は他の外国料理と比べても高価で、その高価さの理由がよく分からないという特徴もある。
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中国メディアの新浪網はこのほど、高級店を中心に中国国内での日本料理店の普及を紹介する記事を発表した。高級店の場合、日本料理店の普及度は中華料理店をも上回る。ただし、日本料理店では一人当たりの消費金額が極めて高い。記事はまた、高級日本料理店の価格の高さの理由はよく分からないと主張した。
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中国で日本料理店が本格的に増えたのは1990年代だった。現在は商業施設やオフィスビルなどでも回転ずしや牛丼などの比較的庶民的な日本料理店が普通に見られるようになった。夜になれば居酒屋の灯りが次々と灯り、焼き鳥、焼き肉、清酒が食卓に並ぶ。
しかし価格面で見れば、庶民的な日本料理店も、食事を安価に提供しているとは言えない。例えばラーメン1杯は50元(約974円)程度以上で、寿司は安いものでも2貫で10元(約195円)だ。
それでも、日本料理店は急速に増えてきた。「日本料理カテゴリー発展報告2025」によれば、2025年3月時点で、中国全国の日本料理店数はすでに5万4000店を突破している。また、日本料理は中国の都市の93.3%に存在する。韓国料理店が91.4%、東南アジア料理店が63%であることと比較しみれば、日本料理店はアジア料理店の中でも特に多いことが分かる
日本料理については、高級店の増加も目立つ。中国の主要都市にある高級飲食店のうち、日本料理店が占める割合は平均で39%にも上る。この割合は中国料理店の34%をも上回り、他の種類の料理店の割合をはるかに凌駕する。日本の高級料理店が特に多いのは、高級料理店に占める割合が53%の香港と39%の上海だ。また一人当たりの消費金額が上位15位までの料理店中、浙江省杭州市では12軒、四川省成都市では10軒、北京市と広東省深セン市では9軒が日本料理店だった。
日本料理店の増加の背景には、中国人の「料理観」も関係している。中国では、高級な食材はシンプルな調理でこそ真価を発揮すると考えられており、日本料理はこの価値観に合致している。上海の高級中華料理店の中では、広東料理店が34%で、江蘇・浙江料理は32%だ。いずれも、素材のも持ち味を重視したあっさりとした料理であり、素材重視という「日本料理」の特徴と同様な理屈で、広東料理や江蘇・浙江料理が評価されていると考えられる。
日本料理はまた、中国文化の影響も受けている。まず、箸を利用する。また、現在の中国料理は大皿で供せられて、食べる人がそれぞれ、自分の小皿に取り分ける。日本料理は、一人分の料理がそれぞれ別の皿に盛られて出される。この方法は、中国の唐代の食べ方と同じだ。日本料理はさらに、西洋料理の前菜・主菜・主食・デザートという配膳順序も取り入れている。この方は食べ方は、一種の儀式のような感覚も与える。
一方で日本料理は他の料理と比べて高価だ。高級料理店の場合、客一人当たりの消費金額が日本料理店では322.4元(約6280円)、西洋料理では187.4元(約3650円)、韓国料理は122.3元(約2380円)、東南アジア料理は120.6元(約2350円)だ。中国人ネットユーザーからは日本料理の価格について「どの外国料理も高い。日常食ではないのだから、大げさに騒ぐことはない」との声も出ているが、同じ外国料理でも日本料理の価格はとりわけ高い。
高級日本料理店には、店内の雰囲気を重視する特徴もある。店の扉を開ければ、まるで東京の街角にある静かな空間に足を踏み入れたかのような錯覚に陥る。日本語が書かれた暖簾をくぐると、木製のテーブルや椅子、柔らかな黄色の照明が調和し、簡素で和風な雰囲気が漂う。オープンキッチンの前には竹のすだれが垂れ、禅の趣と現代的な感覚が融合している。
このように、高級日本料理店は店内の様子でも、高級感を巧みに演出しているが、客が、使われる食材が本当に高級であるかどうかを確認できない面もある。店側が食材費にどれだけかけているかも不明だ。日本料理の代表的食材の一つとされる北寄貝について調べたところ、中国で上質の食材を扱うことで知られる清水というブランドの北寄貝1キロ入りの商品の価格は255元(約5000円)で、北寄貝1切れ当たりの価格は1.59元(約31円)程度の計算になると分かった。高級日本料理店で提供される価格の10分の1程度だ。客が本当に高級食材に対して料金を支払っているのか、よく分からなくなる。
日本料理店の「費用対効果」が分かりにくい象徴の一つが、高級料理店で見られる「おまかせコース」だ。その日に供する料理は調理人がすべて決める方式で、中国では多くの場合、カウンター式のテーブルを採用している。カウンターの向こう側で、中国語が話せない年配の「寿司の神様」や「焼き鳥の仙人」といった風情の調理人が仕事をする。客側は調理の過程を自分の目で見て、解説を聞きつつ料理を楽しむ。
1人当たりの消費金額は1000元(約1万9000円)以上にも達する。客が「驚きの美味」を堪能する場合もあれば、満たされぬ思いのままで店を後にする場合もあるというのが現状だ。(翻訳・編集/如月隼人)
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