「日本の文化かと…」=中国文化の対米発信における問題は日本文化との競争―中国専門家

Record China    2025年4月20日(日) 8時0分

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中国メディアの環球時報は18日、「米国で感じた中国と日本の文化発信」と題する評論時期を掲載した。

中国メディアの環球時報は18日、「米国で感じた中国と日本の文化発信」と題する評論時期を掲載した。著者は米アレゲニー大学歴史学部准教授の伍国(ウー・グオ)氏。

伍氏は「長年にわたる教育現場での観察を通じ、繰り返し認識させられてきたことがある。それは、中国文化の対外発信とは、単に中国から外への一方向的なモデルではないということだ。米国は移民国家であり、世界中から来た移民およびその子孫が暮らしている。それぞれが自らの伝統文化を紹介する際、これらの集団の間には、友好的でありながらも一定の競争関係が内在しており、彼らは皆、自国文化の中で最も代表的な部分を示そうとする。それによって、多文化が共存する国の中で、自らの文化に居場所を与えようとするのである」と言及。「こうした多文化的な国においては、中国文化もまた多くの外国文化の一つにすぎない。そのため、われわれはどのようにすれば中国文化をより良く示し、印象深いものとできるかを考える必要がある」と論じた。

その上で、「昨年、ニューヨーク州バッファローで開催されたアジア研究年会において、筆者はニューヨーク州立大学バッファロー校でコミュニケーション学の博士課程に在籍する中国人学生に出会った。彼女は、日本には自国の特色を表し、米国人がすぐにそれと認識できる物――例えばすしなど――が数多くあると語り、それからというもの、文化交流の中で中国らしさを際立たせるものは何かと考えるようになったという。筆者のこれまでの経験から言えば、日本人は文化交流の場に筆と和紙を持ち込み、米国人の英語の名前をカタカナで書いてあげ、それをお土産にしてもらうということが非常に得意である。受け取った方はとても喜び、同時に書道と日本文化を結び付けて記憶するのである。何年も前、筆者は自分の子どもが通っていた小学校に招かれ、中国に関する講演を行ったことがあった。その際、筆と墨汁を準備し、講演の合間に子どもたちに中国語の名前を付け、書いてあげた。子どもたちはとても喜び、教師までもが自分の中国語名を書いてほしいと求めてきた」と振り返った。

そして、「実際、日本のポップカルチャーやアニメ、映画やドラマなどは、米国社会において長期に渡って影響を及ぼしてきた。今年行われたある交流会で、米国育ちのフィリピン系学生は私に、十数年前に履修していた私の講義の中で最も印象に残っているのは武侠文化に関するものだったと明かした。彼はその授業を受けるまで、『武士』や『浪人』のイメージは日本文化に特有のものだと思い込んでいた。しかしその講義を受けて初めて、中国にはさらに古い『侠』の文化があることを知ったのだそうだ。事実、侠の文化は春秋時代の墨家にまでさかのぼることができるものだ」と説明した。

伍氏は「このことは、中国文化を米国に伝える過程において直面する問題の一つが、日本文化との競争であることを改めて思い起こさせる。多くの米国人の考えでは、中国、日本、韓国、そして南アジアの文化をひとまとめにした地域的な『アジア文化』というカテゴリーがより一般的な枠組みとして存在する。この枠組みの中で、日本文化は長年にわたりその代表とみなされてきた。そして、日本文化とされるものの中には、元は中国に起源を持ち、後に日本が継承し取り入れたものが多く含まれている。たとえば書道、武士、囲碁、茶道、禅宗などである。筆者が米国の学生に中国古代史を教える際には、これらの文化要素が中国に起源を持ち、その後どのように広まっていったかを強調するようにしている。今後の中国文化の対外発信においては、こうした文化の『中国性』を引き続き強調していくことが重要であると同時に、中国の伝統的文化要素と最新のテクノロジーとの融合、そしてそこから発信される価値観も重視すべきだ」と主張した。

そして、「米国人の間には、『米国文化は個人主義、中国文化は個性がはっきりしない集団主義』といったあまりに単純化された文化的偏見が根強く存在する。だが、現実にはどんな文化であっても個人性と集団性は不可分のものだ。米国にも、個人が従わなければならない集団的ルールや規律が存在し、中国にも極めてオリジナリティーの高い精神や芸術的表現が存在してきた」とした上で、「ゲーム『黒神話:悟空』や映画『ナタ』に代表されるように、中国文化の対外発信はすでにまったく新しい時代に突入している。伝統的な文化要素に基づく中国と日本の間の文化発信競争は将来的に、ハイテクと新たな理念による現代中国のポップカルチャーの再創造に取って代わられる可能性が高いだろう」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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