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日本が免税制度の厳格化へとかじを切る一方、中国は店頭で即座に税金を還付する制度を全国で導入する。写真は上海の免税店。
日本が免税制度の厳格化へとかじを切る一方、中国は店頭で即座に税金を還付する制度を全国で導入する。両国が示す真逆の選択から、観光政策の分岐と経済戦略の違いが浮かび上がる。
訪日外国人が店頭で消費税を免除される「即時免税制度」が2026年11月に廃止される見通しとなった。日本政府は、後日オンラインで還付を受ける「リファンド方式」への転換を進めており、制度の厳格化と脱税防止を意図している。
一方、中国ではこの流れとは正反対の制度改革が進行中だ。国家税務総局が4月8日から外国人観光客に対して購入時にその場で付加価値税(VAT)の還付を受けられる「即買即退(即時還付)」制度を全国で本格導入すると発表した。
「即買即退」制度とは、外国人旅行者が指定された免税店で商品を購入した際に、パスポートなどの所定の証明を提示し、簡単な手続きを経るだけで、購入時点で還付金を受け取れる仕組みだ。旅行者はクレジットカードに一時的な担保を設定し、出国後に税関と中国銀行などの還付代行機関による確認が取れれば、担保が解除され、還付が成立する。
制度の利用には、「183日未満の滞在者」であること、「購入から17日以内に出国」することなどの条件があるが、旅行者にとっては店頭で即時に得をする感覚が得られるのが大きな特徴だ。日本は制度の透明化と不正防止を優先し、還付処理の電子化と事後申請型へのシフトを始めたが、中国はインバウンド消費拡大と即時還付による購買意欲の刺激を優先し、利便性と体感的な「得」の演出を狙っている。
商品を購入してすぐに還付される中国と、後日申請で返金される日本。この違いは、旅行者の購買判断や体験満足度に直結する。免税制度は今や単なる税務制度ではなく、観光・小売の戦略装置となっているかのようだ。
ちなみに即時還付はシンガポールや韓国などでも導入されており、訪問者にとっての「買いやすさ」を競う手段でもある。中国の本格導入により、アジアの免税制度競争が一段と加速することが予想される。(提供/邦人NAVI微信公衆号<WeChat公式アカウント>)
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