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香港メディアの香港01は12日、中国・広東省仏山市三水区で猫900匹が当局によって生き埋めにされたとの情報に関する調査記事を掲載した。
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香港メディアの香港01は12日、中国・広東省仏山市三水区で猫900匹が当局によって生き埋めにされたとの情報に関する調査記事を掲載した。
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今年3月、「大量の猫が生き埋めにされた」とされる動画が公開され、多くのネットユーザーの憤りを呼んだ。動画には、多くの猫がおりごと地面に掘られた深い穴に入れられ、一部の猫は脱出を試みている様子が映っていた。あるネットユーザーはこの動画について、3月9日に仏山市三水区の農業局が屠殺場を摘発した後、回収した900匹の猫をそのまま生き埋めにして「処分」したものだと説明した。これに対し、地元当局は「動画は事実と異なる」と否定。実際、この映像は昨年に撮影されたものだったようだが、保護団体の関係者は同日に確かに同様の「処分」が行われていたと主張している。
3月14日、香港01の記者が生き埋め事件の調査のため仏山市を訪れたところ、当日、三水区に隣接する南海区でも二つの猫の屠殺場が摘発されていたことが分かった。しかし、同様に回収された100匹以上の猫の行方は分かっていないという。当局の職員は猫の保護活動家に対して、「炭をたいて(二酸化炭素を吸入させる方法で)処分する」と約束したものの、その後撤回され、いまだに猫たちがどのように処分されたのかは不明のままだという。
記事によると、現地では猫肉を扱う業者が存在する。その業者は、地元の「5大家族」の一つである黄家で、猫肉売買を長年手掛けているとされている。猫肉には主に野良猫が使われ、捕獲や屠殺は雇われた労働者が行うとのこと。中国メディア・大象新聞の報道によると、猫肉は1斤(約500グラム)当たり3元(約60円)で仕入れられ、加工後に10元(約200円)以上で販売される。飲食店ではさらに数倍の価格で提供されるという。
現在、中国本土では猫や犬の肉を食べることを禁止する法律は存在しない。2010年に「反動物虐待法」が草案として提出されたが、立法には至っていない。そのため、当局による業者に対する取り締まりは「動物防疫法」に基づき、検疫証明書の不備を理由に行われるが、罰則は軽く、業者は形を変えて営業を続けているという。猫食文化は特に広東省で根強く、肇慶市、雲浮市などが主要な消費地で、今回摘発された仏山市南海区や三水区も含まれるそうだ。
また、さらに問題なのはこうした業者を摘発した当局による、回収した猫たちへの扱いだ。猫の一部は首輪をしており、元は飼い猫だった可能性があるが、「無害化処理」と称し実際には撲殺されるケースが多いという。3月14日の二つの猫屠殺場への取り締まりで回収された100匹以上の猫について、現地農業局の職員らは「人道的な処理を行う」とし、「ボランティアが証人として立ち会うことも許可する」と約束した。しかし、その後、同局はボランティアたちの質問に一切応じなくなったという。
記事は、三水区や南海区の農業局が「法にのっとって処分した」と強調する裏で、安楽死ではなく、地面に埋めたり水につけて溺死させたりしていると言及。昨年、「三水区の池で100匹近い猫が溺死させられた」とされる動画がネット上で拡散し、当初は「違法に猫を捕獲・輸送していた業者が責任を逃れるために行った」と見られていたものの、後に当局が「違法に猫製品を扱っていた拠点を摘発し猫を回収したが、出所が不明で検疫条件を満たしていなかった」として、「感染症の拡大を防ぎ、公衆衛生の安全を確保するため」との理由で処分していたことが明らかになったという。
しかし、保護活動を行う基金の関係者は「『動物検疫管理弁法』第43条の後半部分では検疫の条件を満たさず廃棄が必要とされているのは『生きた動物』ではなく、本来検疫が必要だったにもかかわらず受けていない動物製品などが対象である」と指摘し、当局は意図的にこの部分を無視していると批判した。
また、中南財経政法大学の法学教授である銭葉芬(チエン・イエフェン)氏は、「検疫を受けるべきでありながら未検疫の動物については追加検査の対象となる。回収した後に追加検査を実施し、病気が確認された犬や猫についてのみ殺処分し、その後に無害化処理すべきである。無害化処理について規定されているのは『病死動物』および『病害動物製品』についてであり、『生き埋め』は存在しない」と強調し、「生きたまま埋めるのは明らかに違法」との見方を示している。
広東省のボランティア団体の関係者は「仏山で1年間に殺されている犬猫の数は確実に10万匹を超えている」とし、「当局は犬猫をどのように処分したのか、処分費用をどう使ったのかについて、明確に説明していない」と指摘している。(翻訳・編集/北田)
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