2025年4月6日、韓国・MBCは「弾劾罷免された尹錫悦（ユン・ソンニョル）前大統領が、憲法裁判所の宣告から2日が過ぎても大統領官邸から退去せず、弾劾反対集会を行ってきた支持者らに向けてメッセージを発信するなど、事実上の“官邸政治”を行っている」と伝えた。

記事によると、尹前大統領は弁護人を通じて罷免後2回目となるメッセージを発表。1回目同様、自身を応援する支持者に向けたもので、弾劾反対集会を「自由と主権を守るもの」「大韓民国の偉大な歴史」と称賛し、「くじけず頑張ってほしい」「いつもみなさんのそばにいる」と呼び掛けた。

尹大統領は、罷免決定直後には「支持者の期待に応えられず申し訳ない」と述べ、「国民の党」関係者との面会では「大統領選で勝利してほしい」「ありがとう」などと発言していた。

記事は「憲法裁判所の決定を尊重するとの発言や、反省や謝罪の表現は3日間で一度も登場しなかった」と指摘している。

また、尹大統領は官邸から退去する動きもみせていない。朴槿恵（パク・クネ）前大統領の場合、罷免から約52時間後に青瓦台を去った。

これに「共に民主党」からは「内乱の首謀者が官邸政治で再び大韓民国を揺るがそうとしている」「謝罪の意思もなく極右勢力を扇動している」などと非難する声が上がっている。

「国民の力」内からも「非常に不適切な行動だ」と苦言が出ているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「憲法裁判所が満場一致で罷免を宣告したのに、尹氏はいまだに現実を受け入れず、ごく一握りの支持者にすがりついている。軽挙妄動に走らず、これまでの罪を全て償ってほしい」「ずうずうしい人。今すぐ官邸から退去し、ソウル拘置所に戻るべきだ」「反省もなく謝罪もない。尹氏が大統領になってしたことといえば、国のお金で海外旅行をしただけ」「民間人が国有財産を不法占有している」「電気も水道もガスも全て止めてしまえばいい」「退去まで法律で定めなければならないほど厚かましい人を大統領に選んでしまったなんて…。そのまま刑務所に行ってほしい」など厳しい声が続出している。（翻訳・編集/堂本）