2025年3月25日、中国中央テレビ（CCTV）は湖南省の川で基準値を大幅に超えるタリウムが検出されたと報じた。

記事は湖南省生態環境庁が25日に発表した内容として、同省を流れる耒水（らいすい）の郴州（ちんしゅう）-耒陽区間で16日に水質検査を実施したところ、基準値の13倍に相当する1リットル当たり0．13マイクログラムのタリウムが検出され、当局が緊急対応を開始したと伝えた。

そして、汚染発生源の追跡調査の結果、郴州市にあるセメント製造企業が旧生産ラインの窯炉を解体した際、窯炉内に含まれていたタリウム灰塵が雨水で洗い流され、雨水排水口から外部環境水域に流入したことが判明したと紹介した。

同市ではこの会社の排水の遮断や緊急池の建設、レンガ堰（せき）の建設、工場主要水路へのコンクリート敷設などの措置を講じて汚染源を排除し、下流地域ではタリウム除去剤の投入や水量調整、水質モニタリング強化といった措置により飲料水の安全確保に努めているとした。

記事によると、異常値が検出された地点の下流にある各浄水場の排水タリウム濃度は16日以降、すべて「生活用水衛生基準」の制限値である1リットル当たり0．1マイクログラム以内に収まっており、給水の安全に影響は生じていないという。（編集・翻訳/川尻）