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中国でキャンプ用品の価格が大暴落していている。ゼロコロナ政策の時期にキャンピングが大ブームになったが、規制が緩和されるとブームが去り、在庫品が大量に残ったからだ。
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中国では今、キャンプ用品の価格が大暴落していている。中国政府が、いわゆる「ゼロコロナ政策」を実施していた時期にキャンピングが大ブームになったが、政府が規制を緩和するとブームが去り、在庫品が大量に残る状態になったからだ。中国メディアの界面新聞が伝えた。
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広東省広州市でキャンプ用品店を営む恩沢さんは「以前は4999元(約10万円)で売っていた商品が、今では処分セールで800元(約1万6000円)です」と説明した。恩さんの店は現在、テントなどキャンプ用品の在庫400万元(約8200万円)分以上を抱えているという。極端な値下げで在庫品を処分しようとしているのは恩さんだけではない。ネット通販サイトを見ると、業者がかつては699元(約1万4000円)の値をつけていたテントを199元(約4100円)で、499元(約1万円)だったキャンプ用ワゴンを130元(約2700円)で販売している。しかも送料は無料だ。
中国では2021年から22年まで、キャンピングが大流行した。当時は新幡コロナウイルス対策のため長距離移動が厳しく制限されたが、都市郊外や場合によっては市街地の緑地などでもできるキャンプは制限されなかった。また、キャンピングはアウトドア活動の中でも体力の消耗が比較的少ないなどで初心者でも楽しめるので、閉塞的な生活を強いられる人々にうってつけのレジャーだった。
市場調査会社の艾瑞諮詢(i-リサーチ)によると、中国での21年のキャンプ関連の市場規模は前年比62.5%の成長で、23年には同51.8%の成長で1134億7000万元(約2兆3000億円)に達した。19年にはわずか376億3000万元(約7700億円)規模だった市場が急成長した。
しかし、22年末からコロナ対策の規制が和されると、人々が選べるレジャー活動の種類が増え、ゼロコロナ対策に対応する「隙間レジャー」としてキャンプを始めた人が抱いていたキャンピングに対する新鮮感も失われた。市場は一気に冷え込んだ。恩さんが営む店の売上高は23年から減少し始め、現在では往時の半分という。恩さんは「多くの人は、ブームがこんなに早く終わるとは予想していませんでした」と述べた。
キャンプ用品を主力とする上場企業の「牧高笛」は21年の売上高が前年比44%増で、22年には同56%増だったが、23年には大きくブレーキがかかり同1.4%増で、24年の第1-第3四半期(1-9月)は前年同期比6%減だった。
業界全体が大幅値下げで在庫処分を行うようになったことの弊害も出現した。メーカーは新製品の研究開発に十分な力を注げなくなった。特に中小ブランドは影響が大きい。恩さんは「一つの製品が出ると、他のブランドが模倣します。皆が品質を犠牲にして価格を競っています。最終的に被害を受けるのは消費者です」と説明した。
一方で、メーカーが同じテントを1万張、2万張と大量生産することはなくなった。各ロットの生産量は非常に少なく、売り切れたら再生産するようになった。つまり強気一辺倒からリスクを最小限にする経営方針に移行した。
キャンピング用品について、初心者は費用対効果を重視し、専門性についてはさほど多くを求めない。一方で、経験が豊富な人や高所得者層は、製品の質や新たな性能を重視する。そして、初心者の多くはキャンピングから離れてしまい、新たにキャンピングを始める人も少ない。一方で、キャンピングの経験が豊富な人は、新たな製品が出れば改めて購入することが多い。キャンピング用品を扱う業者に求められるのは、キャンピング愛好者の心に訴える商品を手掛けることだ。恩さんによると、代理販売している国際的なトップブランドのアウトドア用品の販売状況は、今も楽観できる状態だ。
他の商品に転向して生き残りを図るキャンピング用品のメーカーや販売業者もある。しかし恩さんは他の分野に切り替えることは考えていない。21年初頭には競争の激化を感じたので、ネット通販を開始した。いくつかのネット通販プラットフォームに出店し、顧客を自らの販売サイトに誘導することも行ってきた。過去2年間にわたりかなりの数の顧客を積み重ねてきた。そのため、現在も注文量をなんとか確保できているからという。恩さんは「とにかく売ってしまうことです」と説明した。中国では11月11日が双11(ダブルイレブン)と呼ばれ、ネット通販の大規模な販売促進活動が行われることが恒例だ。恩さんは、ダブルイレブンまでには在庫を売り切ってしまいたいと考えている。(翻訳・編集/如月隼人)
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