マスク氏が中国の鉄道を称賛、自国の状態「恥ずかしい」―中国メディア

Record China    2025年3月10日(月) 10時0分

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米政府効率省の責任者を務めるイーロン・マスク氏はこのところ、中国の鉄道旅客運輸を称賛している。一方で米国の鉄道は「恥ずかしい」状態であり、大手鉄道会社のアムトラックから政府が撤退する考えを示した。

米政府効率省の責任者を務めるイーロン・マスク氏はこのところ、中国の鉄道旅客運輸を称賛している。一方で米国の鉄道旅客輸送は「恥ずかしい」状態と述べ、米国で長距離旅客輸送を行っている唯一の鉄道会社であるアムトラックを民営化して政府が撤退する考えを示した。中国メディアの観察者が伝えた。

米国では1960年に「自動車社会」への転換が加速し、多くの鉄道会社が旅客輸送を廃止したことを受け、各地の鉄道会社の旅客輸送部門を統合することで、米連邦政府出資の株式会社としてのアムトラックが1971年に設立された。しかし経営は芳しくなく国家財政に依存する状態が続いてきた。

マスク氏はこのほど行われた投資家向けの会議で、中国などの国々では米国よりもはるかに優れた鉄道旅客輸送が行われており、そのことは米国人にとって「恥ずかしい」ことであり、「悲しいことだ」と述べた。マスク氏はさらに、5日に行われたモルガン・スタンレーのテクノロジー会議で、「もし中国に行けば、壮大な高速鉄道の旅を体験できる。彼らは素晴らしい」と述べた上で、自分が米国に戻ると、「米国の国鉄(アムトラック)は状況が最悪だと感じる」「他の国から来た人々には、私たちの国鉄を利用しないでいただきたい。米国に対する非常に悪い印象を与えるだろうからだ」と述べた。

マスク氏はさらに、アムトラックの民営化を推進する立場を強調した。マスク氏は米国政府が可能な限り(多くの分野で)民営化を進めるべきだと主張し、赤字がひどいアムトラックと米国郵便サービスがその最初の対象であるべきと述べた。

マスク氏は、「いくつかの問題には破産の可能性が必要であり、そうでないと有効なフィードバックメカニズムを通じての改善を実現することができない。私は可能な限り民営化を推進するべきだと提案する」と述べ、アムトラックは民営化することでよい状態を迎えられるとの考えを示した。

アムトラックはバイデン政権下で、政府からの助成金を使用して鉄道と橋梁の修理、老朽化した車両の改善、さらに東海岸でのサービス範囲の拡大を行った。しかし、解決すべき問題は依然として多い。米国の多くの地域では、今なお鉄道で行けない場所があり、列車の運行は遅延が常態化している。

ただし、米国のテクノロジーメディアの「PCMag」などによると、アムトラックの24年の乗客数は過去最高の3280万人に達した。「ニューヨーク・タイムズ」によると、アムトラックは24年には業績が好調で、トランプ大統領の下で初めて利益を上げられる見込みとの考えを示した。

アムトラック民営化論はこれまでも常に存在してきた。現在は実業家として実績のあるマスク氏が米国の政策決定に深く関与するようになり、アムトラック民営化を強調していることで、改めて関心が高まった状況だ。

アムトラックは5日、自社の民営化に反対するリポートを発表した。同リポートは英国の鉄道システムが「破壊的な30年間の民営化」を経験したと指摘し、民営化がサービスを改善できるという考え方に反論した。英国の鉄道は1990年代に民営化改革を行ってから料金の高騰、サービスの質の低下、安全性における問題の増加、インフラ整備の遅れなど多くの問題が発生した。英国政府は23年6月から国鉄に対する介入と管理を強化し、いくつかの路線の運行権を再び回収せざるを得なくなった。

多くの業界関係者は、アムトラックのサービス改善の鍵は、投資を引き続き増加させることにあると考えている。米連邦議会は21年に、660億ドル(約9兆8000億円)の鉄道プロジェクト資金を承認し、うち220億ドル(3兆3000億円)はアムトラックの今後5年間に特化して支出されることになった。この措置は、アムトラックが設立されて以来の最大の長期資金の提供だ。

アムトラックのスティーブン・ガードナーCEOは「フォーチュン」誌の取材に対し、米国で高速鉄道を建設することは技術的には可能だが、必要な投資規模は米連邦議会がこれまでに行った投資を遥かに超えると述べた。ガードナーCEOは、欧州の鉄道網への投資額と比較して、米国の投資額は「四捨五入するとゼロ」の端数に過ぎないと述べた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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