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英国ロンドン市内の裁判所で5日、28歳の中国人留学生の鄒鎮豪が、10人の女性に対する11件の強制性交などで有罪判決を言い渡された。被害者は60人に及ぶとの見方もある。
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英国ロンドンの刑事法廷で5日、28歳の中国人留学生の鄒鎮豪が、10人の女性に対する11件の強制性交など罪で有罪判決を言い渡された。英国の刑事裁判では特に重罪の場合、陪審員による判決で有罪か無罪が決まり、有罪の場合には裁判官が量刑を確定して後日言い渡す。量刑が言い渡されるのは6月19日の予定で、終身監禁が科せられる可能性があるという。
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事件が発覚したきっかけは、2023年5月に英国在住の中国人女性が警察に「酩酊(めいてい)した状態で、ロンドン市内アパートで強制性交された」と通報したことだった。また、同女性が自分の被害を小紅書(RED)や微信(ウィーチャット)に投稿すると、別の女性から自分も同様の被害にあったと連絡してきた。
英国警察は24年1月、ロンドン市内の高級アパートの1室で鄒を逮捕した。警察は室内からMDMA、エクスタシー、ケタミンなどの大量の薬物を押収した。それとは別に、人をこん睡状態にすることのできる薬剤が入った瓶も多数見つかった。
また、室内には小型カメラや盗撮機材が至る所に設置されていた。警察は鄒の電子機器から1277本の動画、総計1600時間分を発見した。内容は昏睡状態の女性に対する強制性交だった。警察によると、自分が何をされたか気づいていない女性も多いと考えられるという。
鄒は広東省東莞市出身で、父親は国有企業に勤務し、母親は教師をしていた。17年9月に英国へ留学し、当初は北アイルランドにあるクイーンズ大学ベルファストで機械工学を学んだ。19年にはロンドン大学の修士課程に進学し、21年には同大学の工学博士課程に進んだ。また、広東工業大学の卒業生とし同大学の広報活動にも関わっていた。なお、ロンドン大学は、24年1月27日付で鄒を停学処分にした。鄒は警察の取り調べに対して、中国にいたころには優秀な成績を収め、勉強熱心だったが、性教育は受けたことがなかったと述べた。
ロンドンでの鄒の生活は非常に贅沢だった。ロンドン全体を見渡せる高級マンションの39階の部屋に住み、家賃は月額4000ポンド(約76万円)だった。警察の捜査では、多数の高級ブランドのバッグ、宝飾品、ロレックスの腕時計、ブランド服が発見された。中にはタグがついたままの新品の衣類もあったという。
鄒はロンドンに来てからケタミン、コカイン、エクスタシーなどの薬物を使用するようになった。交友関係はナイトクラブやロンドンの中国人コミュニティーが中心だった。また、マッチングアプリを利用して女性と知り合うこともしていた。被害者の一人は、最初の印象では鄒は紳士のように思えたと証言した。警察は、被害者の多くは中国人コミュニティーの女性で、鄒の同級生も多数含まれていたと推測している。
鄒は20年、新型コロナウイルス感染症の影響で中国に一時帰国し、両親が所有する家の一つに住んでいた。鄒は法廷で、中国に帰国中にはインターネットで過激でわいせつなコンテンツを調べていたと証言した。また、警察による鄒の携帯電話の解析により、20年11月には薬を使って女性に対して強制性交を行う方法を記載した手引きをダウンロードしていた。
鄒が撮影した動画の一部は中国で撮影されたもので、女性は完全に昏睡状態だった。また、意識をやや取り戻した女性が「いやです。こんなことはしないでください。お願いだから」などと女性が言う様子も撮影されていた。鄒は女性の哀願に対して「抵抗しても無駄だよ。本当さ。この部屋の防音はしっかりしているからね」と返答していた。被害者の顔にあざが見られ、殴られた疑いのある動画もあるという。
裁判官は、証拠である鄒が撮影した動画について、精神を不安定させる可能性があるため、陪審員が動画を見る回数をなるべく減らせるように配慮する必要があると述べた。
鄒は法廷で、眼鏡をかけてスーツを着て、穏やかな態度で振る舞い、外見上は決して危険な性犯罪者には見えなかったという。鄒は陪審員に対して、動画で撮影された女性とは、双方が合意した上で「ロールプレイ」を楽しんでいたと主張した。
今のところ、鄒の性犯罪の被害者と特定された女性は2人しかいない。英国警察は現在、中国側と協力して、他の被害者の身元確認を試みている。警察はまた、19年から24年の間にロンドンに住んでいた中国人の女子学生に話を聞きたいとしている。鄒と接触した可能性があるからだ。
被害者の総数は60人に達するとの見方もある。警察は被害者50人についての捜査を進めている。被害者のうち約半数は英国におり、残りは中国にいるとみられている。英国では強制性交事件についての過去最大規模の捜査の一つという。
5日の判決では、鄒は3件ののぞき見、10件の過激なわいせつ画像所持、1件の不法監禁罪、3件の管理薬物であるジメチルエチレングリコール所持および性犯罪を実行しようとしたことでも、罪に問われることになった。鄒は判決を言い渡された際に感情的な反応をしなかったという。量刑は6月19日に言い渡される予定で、鄒は終身監禁になる可能性がある。英国では死刑制度が廃止されているので、最も重い刑罰の一つが適用されることになる。(翻訳・編集/如月隼人)
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