春節控えた中国で労働者の「飛び降り未遂」多発、給料未払いに抗議―台湾メディア

Record China    2025年1月13日(月) 7時0分

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台湾メディアのNewtalk新聞は、中国では最近になり、農民工(写真)と呼ばれる労働者がビル屋上に登り、雇用側に「賃金を支払え、支払わないとここから飛び降りる」と要求する事件が多発していると伝えた。

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台湾メディアのNewtalk(ニュートーク)新聞は11日付で、中国では最近になり、農民工と呼ばれる労働者がビル屋上に登り、雇用側に「賃金を支払え、支払わないとここから飛び降りる」と要求する自殺未遂事件が多発していると伝えた。農民工とは都市部で働く農村出身者を指す。中国では1月29日に春節(旧正月)を迎える。中国人には、実家を離れて生活していても春節には帰省して家族団らんを過ごす習慣がある。賃金未払のために帰省も出来ない状態であることが、農民工の自殺未遂が多発している原因という。

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X(旧ツイッター)では、「李老師不是你老師(李先生はあなたの先生ではない)」のアカウント名を使うユーザーが、7日から10日までの間に、四川省宜賓市、甘粛省、河南省鄭州市、江西省南昌市、広東省、陝西省西安市などで農民工が建物屋上に登り、賃金の未払いを訴えて支払わないと飛び降りると脅した事件が発生したと、映像を交えて紹介した。それ以前の1月4日にも広東省肇慶市で、労働者が市政府ビルの屋上に登って同様の行為をした。

当局側は、このような抗議活動を「違法な賃金の要求」であり「公共の秩序を乱した」として、少なくとも5日間の行政拘留を科すことにしている。行政拘留とは、警察など行政機関が違法行為に対して、軽微な違反と判断した場合は、裁判なしで対象者に身柄拘束の処罰を科すことができる制度だ。


飛び降りると脅して賃金を要求する事件が多く報じられていることは、中国経済の悪化を反映している。不動産市場が極端に低迷し、地方政府の債務が膨らむ状況になって、建設業における賃金未払い問題はますます深刻化している。底辺の労働者である農民工は、しばしばその直接の犠牲者になっている。

以前は中国で賃金の未払いを求めるために飛び降りるという極端な手段はあまり見られなかったが、今ではよく伝えられるようになった。主な理由は、かつてはしばしば見られた、農民工が賃金未払いの企業などに対して、街頭で横断幕を掲げて行う抗議活動では、すぐに追い払われることが多いからだ。飛び降りると脅す行為はソーシャルメディアでより多くの関心を集めるので、警察や関連機関は広く批判されないよう対応せねばならない。さらに消防機関は最悪の事態を防ぐために地面にエアマットを敷くなどするため、行政側にとっては負担が非常に大きくなる。


中国当局は、悪質な賃金未払いに対する取り締まりを強調し、法に基づき厳罰を科す方針だ。中国人民最高法院(最高裁)の発表によると、2024年1-11月に、全国の裁判所が受理した初審の労働争議案件は59万件、初審の労働契約紛争案件は66万件に上った。また、全国の裁判所で受理された賃金未払い絡みの刑事事件は約1000件で、労働報酬請求の初審の民事訴訟は約8万2000件だった。全国の裁判所は12月中旬までに、農民工に関連する案件約6万9000件を処理し、裁判所の介入により農民工に支払われた賃金は17億2000万元(約370億円)に達した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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