Record China 2025年1月11日(土) 6時0分
拡大
米国のバイデン大統領は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収に禁止命令を出した。中国メディアはこの対応を「米国式保護主義が再び同盟国に牙をむく」と冷ややかに評した。写真は米国旗。
米国のバイデン大統領は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収をめぐり、国家安全保障を理由に買収の禁止命令を出した。日本製鉄側は「政治介入」として、禁止命令の無効を求めて法廷闘争に踏み切った。中国メディアはバイデン政権の対応を「米国式保護主義が再び同盟国に牙をむく」と冷ややかに評した。
中国網は今回の事態について「米国の覇権的地位を脅かすすべての企業と国は米国の巻き狩りの対象になり得る。同盟国であってもそれは避けられない」と論評。「脅迫的な手段により日本に(円高に導く)『プラザ合意』を迫り、日本経済に致命傷を与え、『失われた30年』をもたらした」と振り返った。
続いて「『ロングアーム管轄権』などの手段により、フランスの製造業を代表するアルストムを『分割』させ、その主力とする電力事業を競合他社のゼネラル・エレクトリックに買収させた」と説明。「EU(欧州連合)などの多くの国および地域の鉄鋼やアルミ製品に追加関税を導入した。オランダ光学リソグラフィ機器大手ASMLの自由貿易を規制し、多くの外国企業を輸出規制の『エンティティリスト』(貿易上の取引制限リスト)に入れた」とした。
さらに「このような一国主義および保護主義の措置は世界の産業チェーンやサプライチェーンの正常な運転をかき乱し、企業の合法的な権益を強く侵害し、国際経済・貿易協力の公平と安定を破壊する」と非難。「そこには米国が多国に吹聴する、開放・包摂・協力の自由市場の精神のかけらもない」と語気を強めた。
米国の保護主義的措置に関しては「逆効果になるだけだ。米鉄鋼業界の盛衰と米国経済の『実から虚へ』の歩みの間には深いつながりがある」と言及。「海外の競争に対応するための長期的な保護貿易政策により、米国内の鋼材価格が高止まりし、製鉄所の収益に改善が見られず、自動車や建築などの川下業界が国際競争で大きな犠牲を強いられる」と述べた。
中国網は米ブルームバーグ通信の昨年の記事を引用。「過去10年にわたる米国の鉄鋼に対する保護主義的措置は米金属製造業の雇用の流出を阻止できず、さらに米国経済のその他の分野のコストを膨らませ、業界の競争力を落とした」と紹介した。
その上で「米国の貿易および投資分野における『国家安全』の乱用は萎縮効果をもたらす。グローバル企業は対米投資を懸念し、敬遠する」と断言。「日本製鉄とUSスチールは共同声明の中で、米政府の買収阻止は『本社を米国の同盟国に置き、米国での重大投資を検討中のすべての企業に身の毛がよだつ情報を発信した』と表明した」として、米紙ニューヨーク・タイムズも「米政府の阻止の決定は米国の開放的な投資文化に背き、米国経済に広い影響を及ぼす可能性があると指摘した」と強調した。(編集/日向)
この記事のコメントを見る
Record China
2025/1/9
2024/12/7
CRI online
2025/1/4
Record Korea
2024/10/31
2024/9/21
2024/9/6
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る