北京高圧科学研究センターによると、中国の科学者が初めて山の尾根でクレーターを発見した。この成果は最近、有名な英文学術誌「Matter and Radiation at Extremes」（極限条件下の物質と放射線）に掲載された。

地球のクレーターは、宇宙にある小惑星などの天体が地球に落下し衝突してできた環状のくぼみだ。隕石は自然の中で特異な存在であるだけでなく、科学者が宇宙空間を研究するための重要な根拠の1つでもある。新たに発見された海林クレーターは、黒竜江省海林市の北にある山々の中にある。このクレーターがユニークなのは、山の尾根に形成されていることだ。その直径は1360mに達し、楕円形のちりとりの形をしている。クレーターの縁の最も高い地点から最も低い地点までの高さの差は100m以上に達し、大きな漏斗のように長白山の支脈である張広才嶺にぶら下がっており、実に壮観だ。

海林クレーターは、中国の地質学的歴史の中で起きた比較的大規模な惑星衝突によって残された地質学的痕跡だ。「この衝突は、今から約数十万年前に起こった。われわれは野外地質調査と地質学的試料の検査を通じて、この『小盆地』で衝突作用に関連する一連のマクロ・ミクロの地質学的証拠を発見した。これが地球外の小惑星の衝突によって形成された地質学的構造であることを確認した」。クレーター発見者の1人で北京高圧科学研究センターの研究員である陳鳴（チェン・ミン）氏は、「海林クレーターは部分的にある程度侵食されていることを除けば、全体的に良好な状態で保存されている」と述べた。

アメリカ物理学会は「影響力のある発見：中国東北部における隕石衝突クレーターを発見」と題してこの成果を報告した。同報告は「直径1360mと測定された海林クレーターは中国で最初に発見された山の尾根クレーターだ」としている。

これは、これまで中国の科学者によって発見された中国4番目のクレーターだ。査読者は「この発見が惑星衝突の歴史に対する人間の認識を豊かにし、中国の特殊な地形における衝突クレーター形成メカニズムと物質の衝撃変成作用を探求するための新しい視点を提供するものだ」との見方を示した。（提供/人民網日本語版・編集/ES）