Record China 2024年11月6日(水) 17時0分
拡大
台湾メディアのNOWnewsは6日、米大統領選後の台湾が直面するリスクについて、政治評論家の見立てを紹介した。
記事は、現地時間5日に投票が始まった今回の米大統領選は史上最も接戦とも言われていると紹介。共和党のドナルド・トランプ氏か、民主党のカマラ・ハリス氏か、結果が大いに注目されているとしつつ、この選挙の後に台湾が直面するであろうリスクについて、台湾の政治評論家・呉崑玉(ウー・クンユー)氏の見解を紹介した。
呉氏は、米大統領選後の変数が台湾に衝撃を与える可能性があると指摘。「多くの人が台湾にとって良いのはどちらの候補かということに注目しているが、習近平(シー・ジンピン)氏が国家主席の座にいる限り、米中の競争は続き、中国は経済的にも軍事的にも米国を超えようとするが、米国人も黙っていない。トランプ氏とハリス氏の違いは手段だけであり、それぞれに長所と短所がある。これこそがリスクであり、台湾は異なる手段によるリスクをしっかりと認識して対処しなければならない」と述べた。
その上で、「トランプ氏は中国に対してより強硬な態度を取るだろう。その主な手段は関税だ」とし、「トランプ氏は中国が台湾に侵攻した場合、中国を爆撃すると発言したことがあるがそれは一度切りで、一貫して『習氏は良い友人』と言ってきた。しかし中国が実際にそう(侵攻)したらどうなるだろうか。逆に習氏の立場に立ってみれば、本当に親友であるならトランプ氏は中国に関税を課すことはないと信じるだろうか。明らかにそうではないから、10兆元(約200兆円)を用意して対応しようとしているのだ」とした。
そして、「ベトナム戦争で米軍が撤退した後、北ベトナムが南ベトナムを打倒したが、米国はわれ関せずだった。トランプ氏は中国を屈服させようとするが、中国が服従する可能性は低い。抑止戦略の第一要素は、万が一抑止に失敗した場合、言うことを聞かない相手を軍事的または政治的に打ち負かす力を備えていなければならないこと。友情や交渉、経済封鎖を信じすぎるのは正道ではない。結局、米国は過去に日本を封鎖して真珠湾攻撃に追い込んだことがある。そのため、トランプ路線の真のリスクは双方とも望んでいない中で戦争をしなければならない状況になることだ」と論じた。
一方、ハリス氏については「おおむねバイデン路線を引き継ぐとみられるが、これにも問題がないわけではない」と言及。「外交的にはトランプ路線よりはるかに合理的だが、民主党は核保有国との戦争を恐れるあまり自制しすぎ、決定的な戦争をする勇気がないため次々と兵力を用いてはダラダラと消耗することを繰り返している。アフガニスタンも、ウクライナも、ベトナムもそうだ」とし、「ハリス氏はトランプ氏ほど狂暴ではなく、バイデン氏ほど熟練でもない。優柔不断が致命的な弱点で、習氏にあしらわれる可能性が高い。台湾が攻撃を受けたら米国は派兵すると公然と言い放つ勇気がない。これは根本的に中国を怒らせたくないことを示している」とした。
呉氏はまた、米大統領選後に政治的混乱が発生する可能性があるとし、「こちらの方が大きなリスクかもしれない」と指摘。「内戦を引き起こすに至らなくても執政者を一時的にまひさせ、国外の問題に手が回らず、権力の空洞化が起こり、(中国に)つけ入る隙を与えることになる。選挙後に混乱が発生すれば、台湾は防衛レベルを引き上げる必要がある」との見方を示した。
さらに、経済面の影響について、「トランプ氏は台湾の半導体産業の成果に偏見を抱いており、関税で他国の製品の米国への輸入を抑制する手段をよく用いる。1920~30年代の関税障壁を繰り返し、再び世界経済の崩壊をもたらす可能性がある」と言及。「トランプ氏は成功したビジネスマンだが、成功した経済学者ではない。ビジネスマンは自己の利益を最大化し、市場を独占しようとするが、世界経済に必要なのは流通である。十分な流通があってこそ、世界市場はうまくいくのであり、流通を遮断することは必ず市場の不況をもたらす」とし、「世界経済が不況に陥れば自由主義も支持を欠き、同盟国も離脱して中国との和解に転じる可能性がある」との見方を示した。
その上で、「誰が当選するかというよりも、どのような手段が取られるのか、どのような影響があり、どのように対処するのかということを考えるべき」とし、「最悪の状況は中国による武力侵攻ではなく、世界経済の崩壊かもしれず、われわれはそれにどう対処すればいいかということこそが、今から頭の痛い問題だ」と論じた。(翻訳・編集/北田)
この記事のコメントを見る
Record China
2024/2/6
2024/10/31
2024/9/11
2024/3/5
2024/8/2
2024/3/9
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る