国産ドリアンの栽培に見るテクノロジー―中国

人民網日本語版    2024年11月3日(日) 5時30分

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中国は世界最大のドリアン輸入国と消費国だ。

濃厚な香りが空気中を漂う中、生産ラインの横では、技術者が今年最後のオフシーズンのドリアンを非破壊検査機に入れ、キーを軽く押すと、果実の切断面がディスプレーに表示され、総合的な「健康診断」のように成熟度や房の数などが一目で分かった。人民日報が伝えた。

海南三亜育才生態エリアで、海南省優旗農業の杜百忠(ドゥー・バイジョン)社長がドリアン大規模栽培拠点の技術力について、「この生産ラインの検出精度は約94%だ」と誇らしげだった。

中国は世界最大のドリアン輸入国と消費国だ。消費市場が大きいにもかかわらず、地理的位置や気候条件などの制限により、ドリアンの大規模な「国産化」が実現していない。

海南省でおいしいドリアンを栽培できるだろうか。三亜市は2018年末より独自の試みを始めた。

「環境に弱点があれば、スマート農業で補強しなければならない」。杜氏は海南省農業科学院、海南大学、中国農業大学、中国熱帯農業科学院の専門家を招き、農業施設の改修と精密管理を実施し、国産ドリアン栽培のアイデアを出し合った。

土壌の有機物が不足し、pHが基準値を満たさず、種苗周辺の1立方メートルの土壌を先に改良してから、改良面積を年々拡大。先に点滴灌漑を行ってから、微細噴霧に変更し、高所の水の供給が不十分だったら、恒圧微細噴霧に変更し、コンピューターで正確に管理・制御する。木の幼若期に着果量をコントロールし、1本当たり2~5個の果実だけを残し、ステップバイステップで進めていく。

ドリアン大規模栽培拠点では、環境モニタリング気象局、土壌水分モニタリングステーション、水・肥料一体化灌漑施設、害虫発生測定装置などのスマート設備が揃っている。植物保護ドローンを巧みに操作している技術者の田令(ティエン・リン)氏は、「果樹園の農作業はスマート農業システムによってワンクリック管理を実現している」と述べた。

「それだけでなく、ドリアンはシーフードも食べるのだ」。専門家によると、海南省の多くの企業と生産者は現地の雑魚を使い魚のタンパク肥料を作り、ドリアンの果肉をより豊かで繊細な味にしている。

植え付けから結実、高品質の生産まで、多くのテクノロジーが応用され、確かな成果が得られた。労働生産性が60%上がり、水、肥料、農薬などの投入量が15%減り、生存率が90%を超えた。

三亜市では2023年に約93.3ヘクタールのドリアンに実がなった。生産量は約50トンで、大規模に収穫された国産ドリアン第1弾になった。海南省の今年のドリアン着果面積は266.7ヘクタールで、生産量は約260トン。国産ドリアン産業は模索しながら急成長している。

杜氏は「国産ドリアンの栽培面積は2026年に約6666.7ヘクタールに達する見込みだ。量が多ければ価格も安くなる。おいしく安い国産ドリアンをより多くの人に食べてもらいたい」と期待に胸を膨らませる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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