Record China 2024年11月2日(土) 6時0分
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米国の大統領選が間近に迫る中、海外メディアは共和党のトランプ前大統領が返り咲いた場合、「中国の人民元にとって重圧」との専門家の見方を紹介した。
米国の大統領選投票日が5日に迫った。共和党のトランプ前大統領が返り咲いた場合の中国への影響について、ロイター通信は「人民元にとって重圧」との専門家の見方を紹介。専門家は「投機筋が人民元の売り持ちに動いているだけでなく、中国本土の輸出業者らが保有するドルを手放さないからだ」などを理由に挙げた。
ロイター通信によると、中国経済の低迷や中国債券利回りの低さが響き、人民元は昨年初め以降軟調が続いている。過去17カ月は1ドル=7元(約140円)よりも元安水準で推移し、下落率は約2%だった。
足元では中国政府の大規模な経済対策を本土の株式市場が好感して投資家が戻ってきたが、米大統領選で対中関税の大幅引き上げを公約に掲げるトランプ氏が勝利するかもしれないため、人民元への下げ圧力は強まり続けている。
3週間移動平均ベースの人民元下落率は約1.5%と、この1年余りで最大に達した。イーストスプリング・インベストメンツの債券ポートフォリオマネジャー、ロン・レン・ゴー氏は「向こう12~18カ月で中国はあらゆる方面から関税引き上げに直面する。自国経済のための最も手っ取り早い政策調整は通貨安誘導になる公算が大きい」と述べた。
トランプ氏が1期目の米大統領だった期間には2018年に初めて中国製品に関税が発動されると人民元は対ドルでおよそ5%下がり、1年後に両国の貿易摩擦が激化するとさらに1.5%下落した。
今回トランプ氏は中国製品に60%ないしそれ以上の関税を適用すると表明している。ジェフリーズのグローバルFX責任者を務めるブラッド・ベッチェル氏は「トランプ氏が大統領に復帰し、共和党が上下両院で多数派を握れば、数カ月で人民元が最大12%下落する可能性がある」とみている。
バークレイズのマクロFXストラテジスト、レモン・チャン氏は今年第4・四半期のオフショア人民元は1ドル=7.10元前後と、6月以降の7.00~7.30元というレンジの中心で推移すると予想した。
ロイター通信は「中国当局も人民元安を好むように思われる」と言及。「8月に人民元が一時8カ月ぶりの高値になった場面では大手国有銀行がドル買いに動き、輸出収入の目減りを防いだとみられる」とした。
ICの市場アナリスト、トニー・シカモア氏は「トランプ氏が大統領に戻って対中関税を約束通り60%に引き上げれば、中国にとってはまずい事態だ」と分析。「恐らく、だからこそ中国当局は前倒しで金融緩和に乗り出し、財政出動に言及しているのではないか。これらの関税が実行されれば、中国の経済成長には逆風となるので、衝撃緩和の要素が欲しいのだ」と付け加えた。(編集/日向)
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