中国企業が「宇宙旅行」を販売、1人2100万円相当がたちまち完売―中国メディア

Record China    2024年10月28日(月) 8時0分

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ロケットなどの宇宙開発関連機器を手掛ける深藍航天が24日、インターネットを通じて「宇宙旅行」を商品として売り出した。料金は100万元(約2110万円)で、予約枠の2人分はすぐに買い手がついた。

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ロケットなどの宇宙開発関連機器を手掛ける深藍航天が24日、インターネット利用のライブ販売の方式で、「宇宙旅行」を商品として売り出した。料金は100万元(約2110万円)で、予約枠の2人分はすぐに買い手がついた。中国メディアの上観新聞などが伝えた。

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ライブ販売には同社創業者の霍亮最高経営責任者(CEO)が出演した。霍CEOは1982年生まれで、名門大学の清華大学で機械工学を学んで博士号を取得している。深藍航天の創業は2016年。

霍CEOによると、売り出した「宇宙旅行」で、宇宙船はカーマン線と呼ばれる大気圏最上部に想定された高度100キロメートルを突破して宇宙空間に出る。ただし地球周回は行われず弾道軌道に沿って飛行し、最終的には落下傘を使って着地する。飛行時間は10-15分を予定する。

搭乗人数は6人で、宇宙船の人が乗り組む部分は直径3メートル、高さ4メートルで、無重力を体感するのに十分な空間がある。搭乗者6人のうち2人は技術要員で、宇宙船は全自動操縦だが、想定外の事態が発生した場合には対応する。また、霍CEOも搭乗し、残った2人分を売り出した。

宇宙旅行の「定価」は150万元(約3200万円)とされていたが、ライブ販売に出演した霍CEOは、初回の販売を理由に100万元への値引きを宣言した。また、予約時に払い込むのは5万円で、後日残り分を支払うことで契約が成立するという。ライブ販売の開始は午後6時20分で、約4分後には「完売状態」になった。購入者の氏名は明らかにされていない。

初回の飛行は2027年を予定している。霍CEOは飛行の2年ほど前が予約を受け付けたことについて、100%の安全を保障するために、数百回のテストを行うからと説明した。霍CEOは「宇宙旅行」の安全性についてさらに、「例えば適切な冗長システムを構築して、ある部分が故障しても人身の安全に影響が及ぶことを許さない技術を確立します」などと説明した。今後もさまざまな環境で飛行するテストを行うことでデータの精度を向上させ、部品寿命についても信頼可能な範囲を確定するという。これまでのところ、テストは着々と成果を収めているという。

この宇宙飛行の乗客として受け入れるのは年齢が18歳から60歳までの人で、それ以外にも心臓や心血管、脳血管その他の、宇宙飛行に耐えられるかどうかの健康診断を行う。ただし、「本職の宇宙飛行士」よりも条件は緩いという。

霍CEOはライブ販売で視聴者から寄せられたさまざまな質問に、丁寧に回答した。例えば、「旅行保険」については、すでに何社かの保険会社と交渉をしている。しかし保険会社側にとっても未経験なので、リスクの評価および料金設定がまだできていないという。霍CEOは「保険が必要であることは間違いない」と説明した。

霍亮CEO

欧米には、宇宙飛行を商品として販売したことのある企業がいくつか存在する。例えばイーロン・マスク氏が率いるSpaceX(スペースエックス)は、地球周回軌道に到達して国際宇宙ステーション(ISS)での滞在も含まれる「旅行商品」を売り出した。その他にも、弾道軌道により「宇宙体験」のできる旅行商品を手掛ける企業がある。欧米企業による「宇宙旅行」の料金は1000万ドル(約15億円)を上回る場合も珍しくないので、極めて高価だ。それに比べれば深藍航天が提示した金額は相当に安い。

霍CEOは価格を引き下げられた第一の理由として、回収と再利用が可能なロケットを使用することを挙げた。深藍航天は中国企業の中で、最も高度なロケットの回収技術を確立した。同社が開発した「星雲-1」は中国初の、打ち上げ後の回収と再利用が可能なロケットだ。同社は2年前に中国で初めて、液体燃料ロケットを高度1キロ以上に到達させてから、垂直の姿勢を保ったまま着陸させることに成功した。

霍CEOは「ロケットを回収できるということは、打ち上げコストの99%を節約できることを意味します。(人が乗る部分の)宇宙船は落下傘で戻せます。それでも残るコストはほとんどが燃料費分です。ガソリン代とほぼ同じです」と説明した。

しかし、深藍航天が提示した100万元、あるいは150万円であっても、ほとんどの人にとっておいそれと買える価格ではない。霍CEOは、技術が向上し、さらに産業としての規模が大きくなれば、料金が急速に下がることを期待できると説明した。

霍CEOは、宇宙旅行の費用が大幅に下がると予測する根拠として、「5年前には1キロの荷重を低高度の地球周回軌道に送り込むのに約3万ドル(約457万円)が必要でしたが、何年か後には1万ドル(約152万円)になりました。現在では1000ドル(約15万円)にまで引き下げられると見なされています」と説明した。

霍CEOはさらに、今後5年から10年で、乗客を宇宙ステーションに送り込んでから地上に戻す旅行が、人民元換算で2万-3万元(約43万-64万円)の費用で成立する可能性が高いと説明。費用については航空機で中国からニューヨークに行く場合とほぼ同等と指摘した上で「技術面は問題を急速に解決しつつあります。すでに乗り越えられない障害はありません」と述べた。

霍CEOは、宇宙旅行を売り出したことについて、商品販売が主たる目的ではなく、宇宙に出ることをより理解してもらうことを重視したと説明し、「皆さんはこれまで、宇宙飛行ついて、神秘的で自分からは遠い世界のことであるとの感覚を持っていました。宇宙旅行は単なる夢と思われてきました。ライブ販売を通じて、宇宙飛行がわれわれにますます近づいていることを実感していただきたかった。わが国の商業宇宙飛行は急速に発展しています。宇宙旅行の価格は急速に下がっており、安全性も信頼性もますます高まっていることを実感したいただきたかった」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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