Record China 2024年10月27日(日) 9時0分
拡大
独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは22日、「米国経済は本当に大統領に左右されるのか?」と題した記事を掲載した。写真はニューヨーク。
独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは22日、「米国経済は本当に大統領に左右されるのか?」と題した記事を掲載した。
同記事は、経済問題は今年の米大統領選の中心的なテーマの一つであるとしつつ、「米国経済は本当に大統領が誰であるかを重要視しているのだろうか。2009年以降の経済データは、誰が大統領であっても、米国経済が常に良好なパフォーマンスを発揮していることを示している」とした。
その上で、「09年から24年までの15年間は、オバマ政権の2期、トランプ政権とバイデン政権の各1期を含んでおり、その間に金融危機や新型コロナウイルスのパンデミックを経験している」と言及。金融危機について「多くの人々に銀行システム全体の崩壊を懸念させた。その後、二大自動車メーカーであるゼネラルモーターズとクライスラーは破産・再編を行い、住宅サブプライム市場は制御不能な状態に陥った」とした。
一方、新型コロナウイルスについては「米国と世界経済に、より直接的な影響を及ぼした。ロックダウン、サプライチェーンの断絶による物資不足、国境閉鎖による混乱や死者、大規模な失業を引き起こした。しかし、大規模な救済資金の投入により、米国は迅速にコロナ禍の景気後退から脱し、コロナ前の経済成長を回復し、力強い経済復興の勢いを見せた」と論じた。
同記事は、米大統領選と経済の関係を考察する際の問題を2つ挙げている。1つ目は現職大統領やその政策が経済に与える影響は時間差があるという点で、「例えば、インフラや半導体産業への投資は不可欠だが、その効果は将来になって初めて現れることが多い。また、メキシコとの国境管理を強化することは短期的に一部の移民を阻止するかもしれないが、往々にして、労働力不足による影響は時間が経ってから明らかになる」とした。
2つ目は、大統領の行動が国会や連邦準備制度(FRB)などの独立機関の決定と混同されることなく評価するのが難しいという点で、実際、米国の一人当たり国内総生産(GDP)は90年以来、09年の金融危機を除いて毎年増加しており、昨年の米国の一人当たりGDPは8万1000ドル(約1239万3000円)を超えている。
同記事は、一人当たりGDPの年成長率を見ると、中国やインドの方がより高い成長率を記録しているとしつつも、米国のそれは中国の約3倍、インドの約8倍となっていることに触れている。米国のGDP総額を見ても、昨年は27兆3600億ドル(約4186兆800億円)に達し、2位の中国の17兆6600億ドル(約2701兆9800億円)やそれに続くドイツや日本を大きく引き離したことを紹介した。
同記事では、雇用についても触れられている。オバマ氏が大統領に就任した最初の数カ月は、金融危機の影響で失業率が上昇しており、09年4月から11年9月にかけて、失業率は9%以上で高止まりしていたこと、その後、失業率は60年代以降で最も低い水準まで徐々に低下し、新型コロナウイルスのパンデミック時に一時的に上昇したものの、今年は4%前後にとどまっていることを挙げたほか、「イノベーションや研究開発への投資、さらには仕事の移動や転勤が容易であることにより、米国の労働者の生産性は他国よりも高いとされている」とした。
他にも、同記事は、所得格差を顕著な問題として取り上げ、「米国はG7の中でも最も所得の不平等が大きい国であり、米国で上位1%の人々が、国全体の富の大部分を所有している。米国で上位1%の富裕層に入るには、家庭の年間税引前収入が約100万ドル(約1億5300万円)必要である一方、英国では約25万ドル(約3825万円)で上位1%に入ることができる」と指摘。その一方で、「極度の貧困状態にある人口の割合が減少している点は、肯定的に捉えられる」とも評している。
また、米国におけるインフレ率について「09年1月以降、急上昇した。オバマ氏の大統領就任時点ではインフレ率は0%で、その後マイナスとなったが上昇に転じ、22年6月にはピークの9.1%に達した。今年9月には2.4%にまで下がり、21年2月以来の最低水準となった」と紹介。「インフレ率が高かった期間は比較的短かったが、その影響は大きく、多くの米国人の生活費が大幅に上昇した。物価の上昇に伴い、有権者の不満も高まっている。今年の選挙において、インフレ問題は激戦州での選挙結果を左右する重要な要素となる可能性がある」としつつも、「この問題はどの大統領にとってもコントロールが難しい」と論じた。(編集・翻訳/奈良)
この記事のコメントを見る
Record China
2014/12/17
2014/1/21
2015/1/29
2021/12/17
2021/2/15
2015/2/14
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る