中国の若者が博物館グッズに夢中になっているワケは?

人民網日本語版    2024年10月21日(月) 16時30分

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中国の若者が博物館のクリエーティブグッズに夢中になっている。

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甘粛省博物館の文化クリエーティブグッズショップには野菜のぬいぐるみや串に刺した肉のぬいぐるみがずらりと並んでいる。旅行で同省を訪れた廖維多さんはふかふかの素材で作られた鍋のぬいぐるみの中に自分が選んだ「野菜」や「肉」を入れ、好みの「麻辣燙(マーラータン、ピリ辛風味の煮込み料理)」を作り上げて購入し、それを「戦利品」としてSNSにアップ。「こんな文化クリエーティブグッズの『セレモニー感』が楽しくてたまらない!」と書き込むと、ネットユーザーからたくさんの「いいね!」とコメントが寄せられた。中国青年網が伝えた。

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中国国家文物局の統計によると、今年の国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた7連休中、中国全土の博物館の来館者は延べ7488万人だった。中国では博物館が今、多くの若者の「旅行先で絶対に行っておきたい場所」となっているほか、各博物館の文化クリエーティブグッズも「絶対に買いたいもの」リストに入れられるようになっている。中でも中国国家博物館の鳳凰の形の冠をモチーフにしたマグネットや蘇州博物館の「胖宝剣」、甘粛省博物館の銅像「銅奔馬」をモチーフにしたぬいぐるみ「緑馬」といったグッズが爆発的人気となっているのはなぜなのだろうか?そして若者たちがこれほど夢中になっているのはなぜなのだろうか?

個性際立つ文化クリエーティブグッズが人気に

特徴的で個性が際立っているというのが、多くの消費者の甘粛省博物館の文化クリエーティブグッズに対する評価で、「緑馬」や「麻辣燙」のぬいぐるみを買うためにわざわざ同館を訪れる人もいるほどだ。

「緑馬」は甘粛省博物館の代表的な収蔵品の銅像「銅奔馬」をモチーフにしているのに対して、「麻辣燙」のぬいぐるみは甘粛省名物の「天水麻辣燙」の特徴をうまく活用している。廖さんは、「これらグッズは、現地ならではの特徴にあふれていて、他の地域にはない文化クリエーティブグッズだ」と話した。

「博物館を見学するために旅行に出かける」というのが今、中国の多くの若者の祝祭日の第一の選択肢となっている。国家文物局によると、昨年、中国の博物館の来館者は過去最多となる延べ12億9000万人だった。また、今年の国慶節に合わせた7連休では、前売り入場券が発売初日に完売となった博物館が続出した。

文化クリエーティブグッズの収集が一種の趣味に

「偶然出会った」グッズを購入する廖さんと異なり、博物館の文化クリエーティブグッズをコレクションすることを一種の趣味としている若者もいて、そうした同じ趣味を持つ若者からなる「友達の輪」もある。95後(1995~99年生まれ)の王楠星さんもそうしたうちの1人で、コレクションを始めて1年ほどであるものの、収集した数からすると、十分にベテランと言える。

王さんは「すでにグッズ数百個を収集した。ほとんどがマグネットや置き物。僕たちコレクターは、文化クリエーティブグッズの文化財の再現度や精巧さなどを最も重視している。博物館を見学するのが大好き。文化財を見るたびに、歴史の重みを感じ、1000年以上にわたって存在し続けてきた凄みを感じることができる」と話す。

そして、「甘粛省博物館の『緑馬』のようなユーモラスなぬいぐるみにしても、中国国家博物館の孝端顕皇后の鳳凰の形の冠をモチーフにした完成度の高いマグネットにしても、一種の芸術のスタイルであり、博物館への第一歩となる。この観点からすると、多くの人の注目を集め、文化財についてもっと知りたいと思ってもらえるなら、優れた文化クリエーティブグッズと言える」との見方を示した。

交流のきっかけになるのも人気の理由

上海に住む宋諾(仮名)さんも文化クリエーティブグッズのコレクターで、新石器時代から清朝末期に至るまで、各時代の代表的な文化財をモチーフにしたマグネットを収集している。そして、王朝の時代順にそれを1枚のボードに並べ、簡単な説明を添え、「華夏一万年」という作品に仕上げた。そのボードの写真はソーシャルメディアで人気を集め、10万人以上が「いいね!」を寄せ、あるネットユーザーからは「マグネットの封神榜」との声も寄せられた。


甘粛省博物館では、好きな「野菜」などの具を選んで、自分好みの「麻辣燙」を作ることができる。蘇州博物館では、カニの身がぎっしり詰まる季節である秋に、「上海ガニ」のぬいぐるみを購入して、家に持って帰ることができる。文化クリエーティブグッズはそのデザインのかわさだけでなく、「セレモニー感」を感じさせてくれるショッピング体験やラッピングなども、これらが人気を集める主な理由の一つだ。

伝統的な文化財をモチーフにしたグッズのコレクターにとって、これらが他の人とのコミュニケーションのきっかけにもなっているようだ。孝端顕皇后の鳳凰の形の冠をモチーフにしたマグネットや、隆福寺正覚殿の装飾的な天井「藻井」をモチーフにしたマグネットといった文化クリエーティブグッズはソーシャルメディアで大きな話題となっており、あまりの人気で手に入りにくくなる時さえある。手に入れた購入者は写真をソーシャルメディアにアップすることでコレクターの注目を集めることができるのだ。

宋さんは「マグネットボード『華夏一万年』が人気を集めたことで、関連の話題を巡るメッセージのやり取りも増えた。多くのネットユーザーが、自分が興味を持っている博物館の文化クリエーティブグッズを収集し始め、自分だけのコレクションによる博物館を作り上げている。中には『文化クリエーティブグッズを収集し始めて、毎日、新たな楽しみができている』とコメントを寄せくれたネットユーザーもいる」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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