石破茂首相の誕生、中国は「安堵のため息」?―仏メディア

Record China    2024年10月2日(水) 6時0分

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30日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、石破茂首相就任後の日中関係の行方について論じる記事を掲載した。

2024年9月30日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、石破茂氏の首相就任後の日中関係の行方について論じる記事を掲載した。

記事は、「田中角栄最後の弟子」と呼ばれる石破氏の政治キャリアは日中国交正常化を主導した田中角栄元首相に誘われたことから始まり、「反中政治の遺伝子」は持ち合わせていないとした上で、日中関係が諸問題に直面する中で石破氏の中国に対する立場について分析した。

まず、尖閣諸島などの領土問題・防衛問題では比較的強硬なスタンスを持っているとし、2012年9月の自民党総裁選に出馬した際には、民主党政権が尖閣諸島を国有化後に管理する方針を示したことに対し、漁船の避難港を設けるなどして実効支配を強化する必要があると指摘したほか、13年1月の自民党幹事長時代には「尖閣諸島はわが国固有の領土であり、問題を棚上げする理由はない」と発言したことを紹介。先月27日に新総裁初の記者会見では、9月に相次いで発生したロシア軍機や中国軍機の領空侵犯、中国空母の日本近海航行に触れて早急に対策を講じる必要性を強調し、総裁選期間中には日米同盟、米韓同盟、米比同盟の枠組みを有機的に統合して「アジア版NATO」を実現することを提唱したと伝えている。

次に、歴史問題に対する石破氏のスタンスは中国や韓国にやや近いと指摘。石破氏は「アジアと歴史に誠実な外交」を主張し、中国、韓国、北朝鮮との信頼関係構築の重要性を強調しているほか、靖国神社問題についても「A級戦犯分祀」を主張し、02年の防衛庁長官就任以来、靖国神社には一度も参拝していないと紹介した。

さらに、台湾問題については石破氏が台湾に近い立ち位置にあると分析。石破氏が総裁選に勝利した直後には頼清徳(ライ・チンダー)総統が祝意とともに台湾と日本の与党間の制度化された多層的な交流と協力を深めることを期待するメッセージを発信したと紹介したほか、22年7月に超党派国会議員団を率いて台湾を訪問し、当時の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談した際に石破氏が「東アジアが明日のウクライナにならないよう知恵を絞らなければならない。同じ価値観を持つ日本と台湾が地域の抑止力を確保すべき」と発言したことを伝えた。その一方で、石破氏は中国が台湾に軍事侵攻する可能性は高くないとも考えているとした。

記事は、日本の首相として石破氏がさまざまな問題において中国側の立場と大きな相違や対立を生じることは確実だとしつつ、これまでの政治経歴や政治姿勢から判断すると、安倍晋三氏や岸田文雄氏よりも中国との「最大公約数」を見出しやすいはずだと指摘。特に、総裁選で保守派の高市早苗氏を破って石破氏が首相の座に就いたことは、中国にとって「安堵の大きなため息」をつく結果となったとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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