中国で後絶たぬ食の安全問題、解決の道のりは今なお「初期段階」―独メディア

Record China    2024年7月18日(木) 7時0分

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16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の食品安全問題が今なお初歩的な段階にあるとする記事を掲載した。

2024年7月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の食品安全問題が今なお初歩的な段階にあるとする記事を掲載した。

記事は、中国のネット上で14日、インスタントの牛肉麺からネズミの頭のようなものが出てきたとする動画が拡散して議論を呼び、メーカーが釈明する事態に発展したと紹介。食品からネズミの頭のようなものが出てくる事案は過去にもしばしば発生しており、昨年6月には学校の食堂でネズミの頭が入っていたという学生の訴えに対し、当初食堂側が「アヒルの首だ」と説明したものの世論の疑念が膨らみ、当局が調査の上ネズミの頭だったと判定する問題も起きたと伝えた。

さらに、今月2日にはタンクローリーが石炭液化燃料を荷下ろしした後、タンク内部を洗浄せずに食用大豆油を運んでいたことが新京報によって報じられ、世論から激しい怒りの声が上がったことを伝える一方で、業界内ではコストダウンのためにこのような輸送をするのは「公然の秘密」になっていたとしている。

その上で、中国ではこれまでにも食品の安全問題がたびたび取り沙汰されてきたとし、05年と15年にも同様に食用油の不当な輸送行為がメディアによって暴露され、10年には排水溝から食用油を回収して販売するいわゆる「地溝油」が問題となり、08年には有害物質のメラミンを含んだ粉ミルクによって多くの乳児が健康被害を受け、中国初の「食品安全法」制定のきっかけとなった「毒粉ミルク事件」も起きたと紹介した。

記事は、中国の食品安全政策研究の専門家である、米ジョンズ・ホプキンス大学のヤスダ副教授が「最近のタンクローリー問題は、中国の食品安全体制が数十年の努力にもかかわらず今なお初歩的段階にあることを示すものだ。中国の食品安全体制改革は一朝一夕に解決できる問題ではない」と指摘するとともに、中国の消費者が市場を信用していないために安全性をうたった高価な商品を買おうとせず、メーカーもコストを上げて安全性の高い商品を開発する意欲を持たないという悪循環に陥っているとの見方を示したと伝えている。

また、習近平(シー・ジンピン)国家主席が12年の政権発足以降再三にわたり食品安全問題の解決を誓ってきたとする一方で、ヤスダ氏が「中国指導部は食品の安全を優先事項としているものの、習氏が権力の扉を開き、消費者やメディアにさらなる権利を与えて問題解決を図るかどうかは疑わしい。習氏は逆に『より強大な国家のロボット』を使って問題を解決しようとしている可能性がある」と指摘したことを併せて紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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