日本のアニメ映画が中国でヒットするには? 成功の鍵はプロモーション戦略―中国メディア

Record China    2024年7月13日(土) 22時0分

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8日、中国メディアのACGxは、日本のアニメ映画が中国でヒットするための必要な要素について紹介した。資料写真。

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2024年7月8日、中国メディアのACGxは、日本のアニメ映画が中国でヒットするための必要な要素について紹介した。

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記事はまず、「近年、『劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」』の興行成績が好調なことから、中国の映画市場では、ハリウッドの大作映画の代替として日本のアニメ映画が注目される重要なジャンルの1つとなった。中国の映画会社は日本のアニメ映画に投資し、多くの旧作や傑作の再上映に力を入れている」と伝えた。

一方で、「公開作品の数が増える中で、期待通りの成績を上げている作品は少ないのが現状。日本のアニメ映画には多くのファンがいるものの、すべての作品が必ずしも期待通りの収益を上げているわけではない。それでは、観客が重視する点は何なのか?どのような作品に多額の投資をする価値があるのか?興行収入以外に映画の制作会社が得られるものはあるのか?これらの疑問に対する答えは、過去に中国で公開された日本のアニメ映画の成績を見れば分かる」と述べた。

そして、「日本のアニメ映画は、宮崎駿監督や新海誠監督のようなオリジナル作品と、さまざまな漫画やテレビアニメの劇場版の大きく2つに分類される。まず、2016年以降の日本のオリジナル作品の中国での成績を見てみると、新海監督の『君の名は。』は興行収入が5億3400万元(約90億円)に達し、中国の若者にその名を広めた。さらに23年の新作『すずめの戸締まり』では8億700万元(約180億円)を記録した。宮崎監督の作品も広く知られており、新作『君たちはどう生きるか』や旧作が中国で好評を博している。一方で、その他のオリジナル作品の興行収入が低迷している理由には、文化の違いやストーリーが中国の観客に受け入れられないこと、プロモーション費用が削減されていることが挙げられる。対照的に、宮崎監督や新海監督には中国に固定のファンがいるため、大規模なプロモーションが行われやすく、ヒットしやすい」と説明した。

また、「漫画やテレビアニメから生まれた劇場版は、既存のファンが興行成績の基盤となっている。過去の興行収入を見ると、『ONE PIECE(ワンピース)』、『NARUTO-ナルト-』、『ドラゴンボール』などは、1億元(約22億円)を超えた作品もあれば、1000万元(約2億円)を少し超えただけの作品もあった。安定したファン層がいるにもかかわらず、興行収入が安定しない理由としては、プロモーションの質やタイミング、観客層の違いが挙げられる。例えば、劇場版『名探偵コナン』は2019年以降、中国での公開時期が日本のブルーレイやDVDの発売前であったことや、プロモーションに多額の投資をしたこと、少年漫画から女性へとファン層の移行を実現し、観客のニーズに応えたことが興行収入の増加に寄与した。同じく、映画『ドラえもん』も子どもの日の親子向けに毎年2D作品を制作し、興行収入を安定させている」と論じた。


その上で、「日本のアニメ映画の輸入は数年の浮き沈みを経て、映画会社はどの作品が中国で良い興行収入を生み出せるかを徐々に把握し、それに基づいて作品の選び方や宣伝方法を変化させている。特に23年には、新海監督や宮崎監督の作品、劇場版『名探偵コナン』、『映画クレヨンしんちゃん』、映画『ドラえもん』など、知名度の高い『安定した』作品を輸入した。またプロモーション方法においては、一般的なオンラインソーシャルメディアのマーケティング、オフラインの広告活動に加え、作品ごとにマーケティングの方法を細かく調整するようになった。例えば、『紅の豚』や劇場版『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』のような旧作は、アートシアターを通じて上映され、コアなファンの需要と商業的利益のバランスを図る手法が取られている」と紹介した。

さらに、「作品自体の既存の知名度に比べて、中国の映画会社が積極的に操作できるのはプロモーションの部分だ。特に大規模な新作プロモーションにおいては、既存の方法に加えて、ドリンクとコラボレーションしたり、ポップアップストアを展開したり、オフラインイベントを開催したり、特典を提供してファンを引きつけるといった日本のマーケティング手法を取り入れた」と説明した。

記事は、「日本のアニメ映画、特にファン向けの作品は、中国で2週目以降に興行収入が増加する作品はほとんどない」とも言及。「例えば、映画『THE FIRST SLAM DUNK』は適切な宣伝のおかげで週末の興行収入が増加したが、大規模なプロモーションで初週の興行収入を爆発させた『君たちはどう生きるか』は、物語の表現が大衆に受け入れられず、その後の興行収入の伸びは見られなかった。この2年間、映画会社は作品の上映期間中のファンの関心をできるだけ長く保つため、映画の特典も導入している。日本の特典付きプロモーションは映画の人気を維持するために有効だが、中国では映画館の数や配布の問題があり、完全には適応できていない。今後、中国の映画会社は特典を含むプロモーションをさらに工夫し、観客の興味を引きつける必要がある」とした。

そして、「今年の下半期に中国で公開予定の日本のアニメ映画の中で、どの作品がヒットし、どの作品が忘れ去られるかは、作品そのものだけでなく、プロモーション戦略にも大きく依存している。成功すれば、日本のアニメ映画の市場はさらに拡大するだろう」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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