中国が台湾の芸能人に「祖国統一」支持表明求める、「反感高めるだけ」と台湾側

Record China    2024年5月31日(金) 10時0分

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中国が台湾出身の芸能人に対して「祖国統一」への支持を表明するよう圧力をかけていると台湾メディアが報じた。写真は台湾の人気ロックバンド「五月天(メイデイ)」の北京コンサート。

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中国共産党が台湾出身の芸能人に対して「祖国統一」への支持を表明するよう圧力をかけていると台湾メディアが報じた。これを受け、台湾で対中政策を担当する大陸委員会は「政治的操作では台湾の人々の心を勝ち取ることはできず、台湾社会の反感を高めるだけだ」と非難した。

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台湾メディアが「表明ブーム」のワードで紹介しているこの流れは20日、台湾の新総統に就任した頼清徳氏の演説がきっかけとなった。

中国と台湾は「互いに隷属する関係ではない」などとした演説の内容について、中国国営テレビ・中央電視台(CCTV)は短文投稿サイト「微博」(ウェイボー)の公式アカウントに、「台湾は一貫して一つの国家ではなく、永遠に一つの国家にはなり得ない」「『台湾独立』は終焉(しゅうえん)に向かうのみだ」などとつづった文章と、国旗「五星紅旗」に使われる赤と黄色で「統一」と書いた画像を投稿した。

25日には、この投稿をシェアした台湾出身の芸能人18人の投稿をスクリーンショットの形式でまとめ、さらにハッシュタグ(検索目印)付きで「台湾の芸能人が続々と祖国統一支持を表明」「中国台湾省」などの文言を添えた。

台湾の人気ロックバンド「メイデイ

中国側の動きに対し、大陸委は「中国共産党は台湾の芸能人に政治的態度の表明を求めることで、両岸(台湾と中国)が同じく『一つの中国』であるとの虚構を故意につくり出している」と指摘。これでは「台湾社会からの同意は得られない」と反発した。

さらに中国共産党が長年、芸能従事者の言動を審査し、政治的態度の表明を求めてきたことに触れ、同意を全く得られないばかりか、「両岸の交流にも不利益だ」と強調。中国共産党に対し、中華民国が存在するという事実を正視するよう呼びかけるとともに、台湾の芸能人には中国で活動する際には関連のリスクを慎重に検討し、言動においても台湾社会からの印象を考慮するよう注意を促した。

こうした中で注目を集めているのは本土でも活発に活動する人気アーティストのジェイ・チョウ(周杰倫)の対応だ。

ジェイ・チョウは微博のアカウントを開設しておらず、現在多くの台湾芸能人が中国のネットユーザーから立場の表明を迫られる中、難を逃れている状態になっている。台湾のネットでは「やり方が賢い」などと称賛の声が続出。ジェイ・チョウは過去に公開された動画の中で、微博アカウントを持たない理由について「人と一緒のことをする必要はないから」と語っていた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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