都市部の不動産価格が全面低下、初の事態に―中国

Record China    2014年8月22日(金) 19時36分

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20日、中国国家統計局が今月18日に発表したデータによると、不動産価格が前月より低下した都市が増加を続けており、北京市、上海市、広州市、深セン市の大都市4カ所で不動産価格がそろって低下するという初の事態が起こった。写真は南京の高級住宅地。

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2014年8月20日、中国国家統計局が今月18日に発表したデータによると、不動産価格が前月より低下した都市が増加を続けており、北京市、上海市、広州市、深セン市の大都市4カ所で不動産価格がそろって低下するという初の事態が起こった。多くの都市が不動産購入制限政策を緩和する中、不動産市場の温度低下の傾向は明らかで、数々の現象から中国不動産市場が「新たな常態」に足を踏み入れたことがわかり、市場はこれから各方面で新たな試練に直面することが予想される。人民日報が伝えた。

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同局が18日に発表した今年7月の全国大中都市70カ所の住宅販売価格の変動状況によると、新築の分譲住宅(社会保障対策用の住宅を除く)の価格が6月より低下した都市は64カ所に達して前月比9カ所増加し、中古の分譲住宅の価格が6月より低下した都市は65カ所に達して同13カ所増加した。特に注目すべき点は、北京、上海、広州、深センの4大都市の不動産価格が軒並み低下するという初の事態を迎えたことで、前月比低下率は北京が1.3%、上海が1.4%、広州が1.3%、深センが0.6%だった。北京は2012年6月以降で初めて低下した。

▼不動産価格が前月比低下した都市、引き続き増加中

データによると、7月には不動産価格が前月比低下した都市が増加した。同局城市社会経済調査司(都市社会経済調査部門)の劉建偉(リウ・ジエンウェイ)シニア統計担当者の分析によると、市場の先行きが引き続き不明瞭で、不動産購入予定者の多くが様子見の態度を取っていることから、前月比不動産価格が減少を続けることになった。

不動産価格は前年同月比では引き続き上昇傾向にあるが、上昇幅は目立って縮小した。データによると、前年同月と比較すれば、7月に不動産価格が上昇した都市は65カ所に達した。上昇幅が最も大きかったのは廈門市で7.2%に上り、最小は温州市のマイナス4.9%だった。中古物件では、価格が低下した都市は15カ所、前年並みの水準を維持した都市は4カ所、上昇した都市は51カ所だった。上昇幅最大は深センの7.4%、最小は温州のマイナス10.2%だった。全国70都市のうち、7月に価格が前年同月比上昇した都市の数は、6月に比べて新築物件で4カ所、中古物件で11カ所多かった。

14年5月には上海と深センの不動産市場が他都市に先駆けて下落傾向をみせ、6月になると広州がその列に加わった。7月には24カ月にわたって価格を維持してきた北京も、ついに「陥落」。最近の北京や上海での取材でわかったことは、不動産購入予定者は様子見の気持ちが強く、不動産企業は「薄利多売」の心理にとりつかれているということだ。

▼購入制限政策取り消しの影響は限定的

ここしばらくの間に不動産市場で起きた最大の変化といえば、不動産購入制限政策を実施していた各都市が相次いで政策を取り消したことだ。

6月下旬に内モンゴル自治区フフホト市が全国に先駆けて政府通達の形で制限政策を緩和すると、それから1カ月あまりの間に、各都市が緩和に踏み切ったという情報が次々に伝わってきた。統計によれば、11年初頭に制限政策をうち出した都市は46カ所あり、これまでに政策を緩和した都市は37カ所に上るという。

とはいえ、制限政策が不動産市場に与える影響は限定的といえる。各方面の情報を総合すると、購入制限を緩和した都市の状況はさまざまで、取引がやや増加した都市もあれば、事態がまったく好転しないという都市もあるからだ。関係者によると、制限を緩和すれば確かに取引件数は増えるが、それほど増えてはおらず、一連の改善型の需要が市場に出てきたに過ぎない。たとえ制限を緩和しても、不動産購入者は自ら居住する物件と改善型の需要に主軸を置くのであり、不動産市場に目立った上昇傾向はみられず、投資・投機型需要によって不動産を購入する人もそう軽々しく手を出すことはない。

大都市が制限を緩和すべきかどうかという点について、多くの専門家は「大都市は話が別」との見方で一致する。とはいえ専門家の中には、一線都市の購入制限政策には改善の余地があると考える人もいる。中原集団の李文傑(リー・ウェンジエ)最高執行責任者(COO)は、「都市の住宅ニーズは立体的、多層的で、さまざまなレベルの住宅ニーズを誘導しなくてはならない。長時間にわたり購入を制限すれば、購入ができなくなり、売り惜しみも行われるようになり、空き家物件が増える。大都市で購入制限政策が完全に緩和されていない背景の下で、厳密な論証作業を踏まえて購入制限政策を適宜調整するのがよい。こうすれば改善型需要に配慮でき、高額所得層が面積の広い物件を購入するようになると同時に、供給を増やして基本的な不動産ニーズを満たせるようになり、都市の住宅構造がより合理的なものになる」と話す。

▼不動産市場の急速上昇の可能性は低い

中国国務院発展研究センター市場経済研究所の任興洲(レン・シンジョウ)所長は、今後一定期間の状況について、「不動産市場は今後長期にわたって微調整の状態におかれることになる。金融政策や貸出政策に目立った変化がなければ、不動産市場が再び急速に上昇する可能性は低い」と話す。

任所長によると、過去10年あまりの急速上昇の時期を経て、不動産市場の需給関係には大きな変化が生じ、超高速で発展する時代や住宅が不足する時代は終わりを告げた。当然の事ながら、大都市は引き続き供給不足の状態にある。不動産市場には新たな段階的な特徴がみられ、規模は全体としてバランスが取れるようになったが、一部の地域では段階的な過剰傾向がみられる。また基準金利の引き上げも不動産市場に変化をもたらした重要な要因だ。研究の結果によれば、貸出は人々の不動産購入意欲を最も大きく変化させ、最も大きな影響を与える。値上がりすれば買い、値下がりすれば買わないという心情が、不動産購入予定者の心理や期待感に変化を与えている。よって、購入制限が緩和されても、上記のような総合的な原因がもたらす不動産市場の調整という結果を変えることはできないという。

住房城郷建設部(住宅・都市建設省)政策研究センターの秦虹(チン・ホン)主任は、「全国の不動産市場は格差が非常に大きい。個人向けローンの政策、不動産開発企業の値下げの動き、不動産市場の政策調整、下半期の供給量の増加といった要因を踏まえると、今年下半期の不動産市場は全体として上半期よりも好調が予想される。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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