米国と見れば必ず反発、中国と見れば必ず反発、どちらも狭隘なダイオード的思考―香港メディア

Record China    2024年2月4日(日) 17時0分

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香港メディアの香港01は1日、「米国と見れば必ず反発するのも、中国と見れば必ず反発するのも、どちらも狭隘なダイオード的思考である」とする記事を掲載した。

香港メディアの香港01は1日、「米国と見れば必ず反発するのも、中国と見れば必ず反発するのも、どちらも狭隘なダイオード的思考である」とする記事を掲載した。

記事は、「ネット世論の場には互いに対立しあう2つの極端かつ非理性的な傾向が存在する」と指摘。一方は米国と見れば必ず反発するもので、もう一方は中国と見れば必ず反発するものだとし、「この白か黒かという偏狭な考え方は、まるで正極か負極彼のダイオードのようである」と論じた。

その上で、近年の米中におけるナショナリズムの高まりは両国関係に「トゥキュディデスの罠(従来の覇権国家と台頭する新興国が衝突すること)」の影を落としていると言及。北京大学国際関係学専門の王緝思(ワン・チースー)教授が昨年4月に述べた「米国の民主党と共和党の間では中国を攻撃することで米国を団結させるという共通認識があり、議会と政府もその立場では一致している。同様に、中国も米国という外的脅威によって団結している」との言葉を引用した。

記事は「両国は巨大な共通利益や相互依存の方向性を遮るべきではない」と主張。「数十年のグローバル化と米中国交正常化以来の広範な交流によって、人類史上これほど多くの貿易往来をした国はかつてない。『トゥキュディデスの罠』が示すアテネとスパルタも、冷戦時代の米ソも、現在の米中のような複雑な関係と単純に同一視することはできない」とし、米中両国の内部、ひいては世界でも、両国の平和的共存を望む声が非常に大きいと論じた。

その一例として、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報胡錫進(フー・シージン)元編集長が先ごろ、「中米は互いに敵同士ではなく、ネット民は取り違えてはいけない。中国が穏健かつ有力な対米政策を実施するために、両国間の経済と交流をできるだけ維持・拡大するのに有利な世論環境を作り出す必要がある」と述べたことを紹介。「彼の言葉は『米国と見れば必ず反発する人』の誤りを指摘している。米国の科学技術、文化、制度、人材の吸引力は依然として世界的な優位性を持っており、中国が学ぶ価値があるものだ」と述べた。

また、「米中の貿易協力と人的往来は、たとえ多くの対立があっても破壊されるものではない」とし、「当時、毛沢東氏と周恩来氏は文革の極左状態下の『反帝反修』の狂気的な宣伝の中で、本来、反共産主義のニクソン氏と共に米中関係の正常化を果敢に推し進めた。トウ小平氏は文革が終わったばかりの極左風潮がまだくすぶっている状態でカーター氏と共に国交正常化を推し進め、そこから両国を変え、何億もの人民に幸福をもたらした」とした。

記事は、「中国と見れば必ず反発する人も同様で、文革や冷戦の黒か白かの思考に心をとらわれ、世界の複雑さを理解できず、平和と発展が人類の長期的利益になることが見えていない。また、改革開放以来の中国の変化と進歩を見て見ぬふりをしている」と指摘。「国交正常化に伴い両国間に横たわっていた巨大な氷が徐々に溶け、意思疎通、交流、往来、協力の中で、両国はいずれもポジティブな変化を遂げ、かつて極左と閉鎖状態に苦しんでいた中国は世界システムに溶け込んだのである」と述べた。

そして、米国の社会学者エズラ・ヴォーゲル氏の「米国人は国際ルールに従うよう懸命に働く中国人たちの努力を知らない。ここ数年の中国に対する米国の政策は、中国の発展についてほとんど知らない役人によって主導されている。中国人を反対側に追いやるのは米国の利益にならない」との言葉を紹介し、「世界は複雑で多様だ。米中間には争い、対立という側面のほかに協力、交流という側面もある。狭隘なダイオード的思考では、共倒れの泥沼に陥る。米中両国に必要なのは、開放的、包容的、理性的な平和共存の声である」と論じた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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