Record China 2023年11月24日(金) 14時0分
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中国が金融部門に対する共産党の指導を強化するため設置した「中央金融委員会」のトップに李強首相が就任、中国指導部は地方政府債務の潜在的な金融リスク回避に力を注いでいる。
中国が金融部門に対する共産党の指導を強化するため設置した「中央金融委員会」のトップに李強首相が就任した。日常ベースで組織運営を担うとみられる同委弁公室の主任は何立峰副首相が務める。中国指導部は92兆元(約1840兆円)に上る地方政府債務の潜在的な金融リスク回避に力を注いでいる。
金融政策をめぐり、中国指導部は10月末、「中央金融工作会議」を2017年以来6年ぶりに北京で開催。国営新華社通信などによると、習近平共産党総書記(国家主席)は重要演説を行い、「金融は国民経済の血脈であり、国の核心競争力の重要な部分。金融監督を強化し、システムを改善することで中国の特色ある金融を発展させることは国家再生の大義名分にかなうものである」と強調した。
中国では不動産市場の落ち込みで経済が停滞し、土地使用権の売却収入に依存してきた地方政府の財政悪化も顕著になっている。不動産に関して習氏は「企業の合理的な資金需要に対応する」とし、「公共住宅の建設など新たな発展モデルを構築する」とも表明した。
工作会議では党中央委員会の指導の下で、金融システムが経済社会発展に貢献をしたことを指摘。同時に金融分野のさまざまな矛盾や問題が絡み合い、互いに影響し合っており、その一部が依然として突出していること、隠れた経済・金融リスクが相対的に高いこと、実体経済に対する金融サービスの質と効率が高くないこと、監督・ガバナンス能力が弱いことを受け止め、これらの問題を根本的に解決するために取組む必要があることも確認された。
中央金融委は金融セクターに関する政策決定を政府機関から党組織へと移行させる取り組みの一環として、3月に発表された二つの新たな党機関の一角。もう一つの中央金融工作委員会は金融システムでの思想的・政治的な党の役割を監督する。
ロイター通信によると、中央金融委は李首相が主宰した会議で、中国が「金融大国」への歩みを加速する中、金融部門のリスクに対する監督強化の必要性を訴えた。さらに金融政策の安定性を維持しつつ、フィンテック、グリーンファイナンス、包摂的な金融、年金金融、デジタル金融の発展に一層、力を入れるよう求めた。
中央金融工作会議で金融リスクの予防は「永遠のテーマ」とされ、イノベーションは市場志向で法律を順守すべきとしていた。中央金融委も今回、早期のリスク警告とリスク処理のメカニズムを改善する必要があると言及した。
米ブルームバーグ通信は中央金融委について「金融政策分野での『分業』計画が承認された」と報道。「新たな金融監督体制の詳細が一段と明確になる中、李氏の影響力が鮮明になりつつある」との見方を示した、(編集/日向)
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