人民解放軍の「部活さぼり」級訓練手抜きが発覚―中国

Record China    2014年8月4日(月) 15時45分

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27日、人民日報は「“問責の嵐”はなぜ久しくやまないのか」と題した記事を掲載した。人民解放軍の兵士、幹部が高校生の部活さぼりのような裏技を駆使していると暴露している。写真は訓練中の中国人民解放軍。

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2014年7月27日、人民日報は「“問責の嵐”はなぜ久しくやまないのか」と題した記事を掲載した。人民解放軍の兵士、幹部が高校生の部活さぼりのような裏技を駆使していると暴露している。

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決まり文句ばかりが並ぶ長い記事なので、さぼりのポイントだけをかいつまむと以下のとおり。

まじめに訓練しない輩を取り締まる「軍事訓練問責制」は、導入以来嵐のように各部隊を襲っている。陸軍第40集団軍のある自動車化歩兵部隊では訓練中の問題を厳しく追及されている。

「待て!荷物を秤にかけてから出発しろ」

完全武装での演習に出発しようとしたその時のこと、軍事訓練監察チームが派遣した幹部2人は1台の秤を持ってきた。兵士11人をランダムに選び出し、荷物を秤にかけるように命じた。武器、弾薬、水筒、雨具、防毒マスクなど荷物の総重量は計14.8kgになるはず。ところが11人中3人の荷物はそれよりも軽い数字を示している。訓練中に楽をしようとこっそり荷物を減らしていたのだった。

また、とんでもない事態が明らかになったこともある。国防生(高校卒業生、大学在校生から選ばれた予備役)が通信機器の操作試験で不合格になったが、不服を申し立ててきた。曰く配備から約半年、試験になるまで機器に触らせてもらったことがないというのだ。問責制はこうした矛盾をも次々と明らかにしている。

問責制の前では幹部も一般兵士同様、厳しくチェックされる。

昨年11月のこと、幹部を対象としたテストが行われた。幹部3人は3000m走に合格できないとして一般兵士を替え玉として用意。コースの途中に隠れさせておき、一部区間を自分たちの代わりに走らせるという不正を行っていた。この不正も監察チームは見事に暴いている。実はコースには監視カメラが設置されており、一部始終が録画されていたのだ。

軍事訓練問責制を厳しく実行し、軍の紀律を引き締めています、習近平が訓示するところの「戦争できる、勝てる人材」の育成に努めていますというアピール記事なのだが、高校生の部活さぼりのようなほんわかした手抜きがなんとも微笑ましい。

周永康の失脚が、中央の政争が、とついつい大きな話に目が行きがちではあるが、習近平体制の紀律引き締めの影響は長距離走が苦手な中年軍幹部を困らせていたりと思いも寄らぬところにまで及んでいるのであった。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)

翻訳家、ライター。豊富な中国経験を生かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。

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