Record China 2023年8月31日(木) 10時0分
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サウジアラビアが中国による原子力発電所建設を検討している。核不拡散を求める米バイデン政権に揺さぶりをかけるのが狙いとされ、サウジ外交のしたたかな一面をうかがわせた。写真はサウジアラビア。
サウジアラビアが中国による原子力発電所建設を検討している、とロイター通信が米紙の記事を引用して報じた。核不拡散を求める米国のバイデン政権に揺さぶりをかけるのが狙いとされ、サウジ外交のしたたかな一面をうかがわせた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、サウジ当局者はカタールとアラブ首長国連邦(UAE)との国境に近いサウジ東部州における原発建設計画の入札に中国の国有原子力大手、中国核工業集団(CNNC)が参加している、語った。
サウジはイスラエルと関係を正常化する可能性の一環として民生用原子力計画で米国の協力を模索してきた。米政府当局者は以前、核兵器開発につながり得るウラン濃縮や原子炉で造られたプルトニウムの再処理を防ぐ合意が得られる場合に限り、原発技術を共有する考えを示している。
WSJによると、サウジ当局者は中国の関与模索について、バイデン政権に核不拡散の要求をめぐり妥協を迫るのが狙いだと認めた。サウジは原子炉建設に韓国電力公社(KEPCO)を起用し、米国の運転ノウハウを導入したい考えだが、米政府が通常要求する拡散管理に同意しない形を望んでおり、米国との協議が不調なら、ムハンマド皇太子は近く中国企業の起用に動く用意があるという。
サウジは米国の伝統的な友好国だが、今年3月、中国政府の仲介でサウジとイランの代表団が北京で協議。2016年1月以来、断絶してきたサウジとイランとの外交関係を復活させることに合意した。
経済改革に必要な外国からの投資を呼び込むため、イランが背後にいるイエメンとの問題を解決し情勢の安定を進めたいサウジ、中東に多くの経済権益を有し地域の安定とエネルギーの安全供給を求める中国の思惑が一致した結果ともいえる。
さらにブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国で構成されるBRICSは8月22~24日に南アで開催されたBRICS首脳会議で、23カ国・地域から出されていた加盟申請について論議。アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、UAEとサウジの6カ国を正式に受け入れることが決まった。
今後とも原発建設に限らず、中国とサウジの距離は縮まる公算が大きい。米国は地域大国サウジの動向から目が離せず、神経をすり減らすことになりそうだ。(編集/日向)
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