2023年8月22日、韓国のインターネット上で、あるバス運転手の機転の利いた対応が話題となっている。

韓国のインターネット掲示板に15日、「昌原（チャンウォン）3006番バスの運転手さん、緊急事態を救ってくださりありがとうございます」と題する投稿があった。

それによると、投稿者の女性イさんは同日午前9時30分ごろ、自宅近所の大通りで酒に酔った男性につきまとわれた。男性はイさんに向かって指を差すなど脅すような態度を見せたという。

イさんは「逃げようとしたが、横断歩道の信号が赤で渡れなかった。大通りは車が走っているだけで歩いている人はいなかった」と当時の状況を説明している。

身の危険を感じたイさんは近くに停車していたタクシー2台に助けを求めたが、いずれも断られた。そうしている間も男性に後をつけられ、わらにもすがる思いで信号待ちをしていた3006番バスのドアをたたいたという。

ただならぬ雰囲気を感じた運転手は即座にイさんをバスに乗せ、イさんに続いてバスに乗り込もうとした男性に対してはドアを開けなかった。イさんは次の停留所で降りたという。

イさんは最後に「明るい時間帯の大通りであんな経験をして動揺していた。ちゃんとお礼も言えなかったのでこの文章を投稿する。2人のタクシー運転手を恨んではいないが、あの状況でドアを開けてくれたのはバスの運転手さんだけだった。重ねて感謝申し上げます」とつづっている。

この投稿を見た他のネットユーザーからは「本当に良かった」「命の恩人だね」「停留所以外の場所では目もくれず、手を降って乗車拒否する人がほとんどだろうに」など運転手への称賛の声が上がっている。

その他「美談で終わらせず、追いかけてきた男性を検挙するべき」「最近は物騒な事件が多い」「治安が良いことで有名だった韓国がなぜこんなことに…。処罰が甘く、凶悪犯でもプライバシーを尊重し、犯罪者の人権を過度に守ってきた代償は大きい」などの声も見られた。（翻訳・編集/堂本）