上半期のGDP成長率わずか1.5%、「世界の工場」東莞はどうしたのか―中国メディア

Record China    2023年8月15日(火) 8時0分

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13日、中国新聞週刊は、「世界の工場」としてその名を馳せた広東省東莞市の今年1〜6月のGDP成長率がわずか1.5%にとどまる苦境に立たされていると報じた。

2023年8月13日、中国新聞週刊は、「世界の工場」としてその名を馳せた広東省東莞市の今年1〜6月の国内総生産(GDP)成長率がわずか1.5%にとどまる苦境に立たされていると報じた。

記事は、同市統計局が7月26日、今年1〜6月における同市のGDP成長率が前年同期比1.5%にとどまったと発表し、全国の平均成長率5.5%、同省の平均成長率5.0%を大きく下回り、年間GDPが1兆元を上回る中国の都市で最低の成長率になったと紹介した。

そして、専門家の間では工業の圧力、貿易の成長鈍化が同市の経済失速の主要因であるとの見方でおおむね一致しているとし、広州市博士科学技術イノベーション研究会会長の彭澎(ポン・ポン)氏が「東莞は世界の工場として知られてきたように、製造業が大きな割合を占めている一方で、独自の知的財産権が不足しており、対外依存度が非常に高い。このため、産業の外部移転、受注減、感染症や貿易保護主義など産業チェーン・サプライチェーンに打撃を与える要素が、現地の経済成長に大きな影響を与える」と分析したことを伝えた。

また同市ではここ数年、主要産業の失速傾向は非常に明らかになっており、国内の主要製造拠点としてかつては年産4億台を誇っていた携帯電話の生産も19年以降は徐々に減少し、22年の生産台数は1億9761万6700台でピーク時に比べて半分以上減少したと紹介している。

さらに、同市統計局のデータによると、今年1〜6月における同市の貿易額が前年同期比11.3%減の6186億元(約12兆4000億円)で、このうち輸出は同9.4%減となっており、輸出減が地元企業、特に中小企業の発展と生存に直接影響を及ぼしているとも指摘した。

記事はその上で、厳しい状況の中で同市も事態打開に向けた方法を模索しており、ここ数年は新世代の情報技術やハイエンド設備製造、新素材、新エネルギー、生命科学、バイオテクノロジーなどの戦略的新興産業を精力的に発展させていると紹介。同省社会科学院の丁力(ディン・リー)経済学研究員が「東莞に重厚な産業基盤と発展優位性がある。新興産業を発展させる際には、産業技術の蓄積、イノベーション力、人材の量、企業の運営環境などの発展要因を十分に考慮する必要があるとともに、新しい物を取り入れつつ古いものも大切にする姿勢によって、既存産業の新たな発展を実現するチャンスも生まれる」との見解を示したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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