「引きこもり」の高齢化に直面する日本、その対応に他国も注目―華字メディア

Record China    2023年6月3日(土) 17時0分

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華字メディアの日本華僑報網は29日、日本の「引きこもり」が高齢化を迎えているとの文章を掲載した。

華字メディアの日本華僑報網は29日、日本の「引きこもり」が高齢化を迎えているとの文章を掲載した。

文章は、「日本は超高齢社会に突入して15年を超え、名実ともに世界の『老化国家』である」とした上で、「中でも『孤独』は日本の高齢社会のキーワードの一つだが、注目すべきはもう一つ、『閉鎖』が無視できない言葉になっていることだ」と指摘した。

そして、80代の親が50代の子どもを支える「8050問題」が新たな概念として問題になっており、子どもの側が「引きこもり」になっていることで親の側にさらなる負担がかかるという「難題の二重化」が起きていると説明。「2018年1月に北海道札幌市で82歳の母親と52歳の娘が自宅で栄養失調などにより孤立死した事件は、その悲劇を端的に表している」と論じた。

文章は、日本で「引きこもり高齢化」問題が深刻化している背景には複数の原因があると指摘。第1に、家庭における高齢化が不可逆的であり2世代が同時に高齢化する確率が大幅に上がっていること、第2に、「引きこもり」は日本で新たな文化とも言えるほど広まり全国に150万人近くいるとされ問題を深刻化させる懸念があること、第3に、経済的な見通しも明るくなく衣食住における「親のすねかじり」がますます現実的な問題になっていること、を挙げた。

その上で、日本もさまざまな方法でこうした問題への対応を試みているとし、まずメンタル面のケアに言及。「引きこもりの原因は多岐に及ぶが、高齢化によって個人や家族の対外的な情報伝達や能動的なコミュニケーションが乏しくなり、『真空地帯』が生まれやすい」とし、「地方自治体は窓口業務を強化し、コミュニティーとの交流を強化しており、家族や個人が一人で戦うことを避けるようサポートとケアを推進している」とした。

次に、外出支援を挙げ、「引きこもりが孤独死につながる可能性が高いため、社会的なつながりを取り戻すことが第一歩となる」と説明。東京都江戸川区が今年、メタバース(仮想空間)を活用して引きこもりの社会参加を促す取り組みを始めると報じられたことを紹介し、「これもまた日本社会が引きこもりの心理的な壁を取り払おうとしていることが現れている事例だ」と述べた。

三つ目に、生活面の支援を挙げ、「頼れるところがあるというのは高齢者にとって核心的な関心事であり、悲劇を回避するのに最も重要な点だ」とした上で、「日本政府は引きこもりとその家族を対象とした、より的を絞った支援を行う初の支援マニュアルの策定を急いでいる」と説明。「同時に高齢者施設の建設や介護人材の育成、在宅医療サービスの拡大などで手立ての充実化を図っている」とした。

文章は、専門家から「日本社会が過度に集団性や統一性を強調していることで、引きこもりが周囲に打ち明けづらく、問題を抱え込み閉鎖的になってしまっている」との指摘が出ていることに触れ、「日本社会は『8050問題』に続いて『9060問題』に直面する恐れがある。どのように対応するかは日本の知恵が試されるところであり、同様の問題に直面するであろう他国の参考にもなるところだ」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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