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中国、ロシア極東・ウラジオストク港の使用権確保、帝政ロシア時代以来165年ぶり

Record China    2023年5月20日(土) 6時0分

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海と接した港がない中国東北部の吉林省と黒龍江省が6月1日からロシア極東のウラジオストク港を使用する。中国が同港の使用権を確保したのは帝政ロシア時代以来、165年ぶりだ。写真はウラジオストク港。

海と接した港がなく物流問題に頭を悩ませてきた中国東北部の吉林省と黒龍江省が6月1日からロシア極東のウラジオストク港を中国国内の港のように使用する、と韓国紙が香港紙の報道を引用して伝えた。中国がウラジオストク港の使用権を確保したのは帝政ロシア時代以来、165年ぶりだ。

韓国・中央日報が紹介した香港明報の記事によると、中国海関総署は4日、2023年第44号公告をホームページに掲載。「東北の老朽工業基地を振興する戦略的措置を実践し、国内貿易商品の国境間運送協力を遂行する海外の港の使用を促進するため、吉林省で国内貿易商品の国境間運送事業範囲をより一層拡大することにした」と公示した。

ロシアのウラジオストク港を6月1日から中国国内貨物の積み替え港として利用できることになったという内容だ。陸路で約1000キロを運送した後、遼寧省の営口港や大連港で積み替え、南東部沿岸の廈門や広州に運送していた従来の物流網に比べて運送費用が大きく減ると見込まれる。

1858に清朝とロシアの不平等条約「アイグン条約」で奪われたウラジオストク港の使用権を中国が165年ぶりに取り戻したのだ。

今回の措置は3月に中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領がモスクワで署名した「2030年中露経済協力重点方向に関する共同声明」の一環だ。両国首脳は「両国の地方協力と国境地域の協力潜在力を発掘し、実際に効果を向上させ、中国-ロシア『東北-極東』地域間の互恵協力を発展させる」としていた。

これを受け、ウラジオストク市長が中国吉林省延辺朝鮮族自治州と鉄道および陸路貨物運送規模を拡大する協議に着手。ロシアはアムール川流域のダリネレチェンスクから中国黒龍江省虎林市への天然ガス提供協議も批准した。11日にはウラジオストク駐在の朴揚帆中国総領事が黒龍江省商務庁の賀松副庁長と協議し、「両地域の交流深化および共同発展を積極的に支持する」と発表した。

中国・ロシア・北朝鮮3カ国が接する国境都市の吉林省琿春市はウラジオストクとつながる約200キロの鉄道と陸路を持つ。中国はその間、北朝鮮の羅津(ナジン)港まで続く48キロの道路を建設し、「借港出海」(港を借りて海に出ていく)を推進したが、北朝鮮の核・ミサル開発による国連制裁で羅津港の利用がふさがった状態だった。ウラジオストク港の活用により、極東地方での中露密着がさらに強まるとみられる。

中国経済メディアの財新は14日、中国がウラジオストク港を利用すれば物流コスト削減のほか、長期的に北京近隣の山海関貨物鉄道の混雑も減り、石炭などバルク物資の運送が大幅に改善すると報じた。中国東北地域とロシア極東地域の間の産業チェーンと供給チェーンの連係を強化する効果も生じるとみている。 (編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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