Record China 2023年4月15日(土) 7時0分
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日本銀行総裁に就任した植田和男氏を中国メディアが取り上げ、「日銀の新指導層は数多くの挑戦に直面」と指摘。「日本は将来的に再びデフレに陥る可能性がある」とも報じた。写真は日銀。
任期満了となった黒田東彦氏に代わり日本銀行総裁に就任した経済学者の植田和男氏を中国メディアが取り上げた。この中では「専門家は日本経済が長期的に低迷していることから、日銀の新指導層は数多くの挑戦に直面するとみている」と指摘。「日本は将来的に再びデフレに陥る可能性がある」とも報じた。
植田総裁の先行きについて、中国網は「黒田氏が長期的に堅持した超量的緩和策はアベノミクスの看板政策だった」と前置き。「円安が大幅に進行し、超量的緩和策が長期的に数多くの弊害を露呈している」と説明した。
記事は「第一に市場が大きくゆがみ、金融政策の弾性が失われた」と分析。「日銀は長期的にイールドカーブ・コントロール(長期金利と短期金利の誘導目標を操作)を実施している」として、市場関係者の「日銀は過度に低い収益率で債券を購入し、市場価格を合理的な区間から外れさせ、市場の価格決定の機能が疑問視されている。日本の債券市場の流動性が低下に向かっている」との見方を紹介した。
続いて「第二に日銀は政府が依存する『ATM』に変わったが、これは財政の財務への依存を強めた」と言及。「日銀が公表したデータによると、日本政府の2022年9月末までの国債発行残高は1066兆円に上り、うち日銀の保有が536億円と過半数を占めている。 また、超量的緩和策の長期化により、政府は国債発行に過度に依存し、財政の規律を緩め、ゾンビ企業の延命を招いた。産業の新陳代謝が遅れ、生産性の向上に悪影響を及ぼした」とした。
さらに「最近、米国のシリコンバレー銀行やクレディ・スイスなどの欧米の銀行から問題が続出している。市場は欧米の金融システムの安定を強く懸念しており、日本もその影響を免れない」と断言。「長期的に超低金利環境であったため、日本の多くの金融機関も債券の大規模投資を行っている。欧米の中央銀行が利上げを急ぎ、日銀の利上げへの予想が強まる中、日本の金融機関は内外から挟み撃ちを受け、帳面の損失が急激に膨らんでいる」と述べた。
データによると、地方銀行99行の外国債券と投資信託の運用状況は、昨年3月末時点で1627億円の含み損だったが、昨年末には1兆5159億円に膨らんだ。国債などの国内債券投資について、日銀が昨年12月に長期利回りの許容上限を±0.25%から±0.5%に拡大したことにより、日本の銀行業の含み損が3カ月内に約8000億円激増した。
今後に関して中国網は「超量的緩和策の調整が一挙に行われることはなく、小幅の推進が対応策になりそうだ」と予測。「イールドカーブ・コントロールの終了を急げば、それは金融政策の引き締めと利上げを意味し、一部の経営不振の地銀が破産・再編を迎える恐れがある。これは経済回復の原動力が乏しい日本にとって大きなリスク」と警告した。(編集/日向)
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