Record Korea 2022年12月30日(金) 12時10分
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北朝鮮軍の無人機5機が韓国上空に侵入し約5時間にわたって飛び回った。韓国軍は撃墜に失敗。主要各紙は「北の挑発のたびに穴を開けられる」「惨たんたる水準」などと批判した。写真は韓国の非武装地帯(DMZ)。
北朝鮮軍の無人機5機が12月26日、韓国上空に侵入して約5時間にわたって飛び回った。うち1機は首都ソウルにまで到達したが、韓国軍は撃墜に失敗。韓国各紙は軍の対応を「北の挑発のたびに穴を開けられる」「惨たんたる水準」「綱紀粛清を」などと厳しく批判した。
今回の侵入について、中央日報は社説で「北朝鮮が多様な方式で挑発するたびにほぼ例外なく韓国軍はお手上げとなっている。前線のあちこちに死角地帯が並び、穴がどんどん開けられる。有事の際に韓国軍が戦って勝てるのか国民は不安だ。だから不信も大きくなる」と論難。「北朝鮮の奇襲的な無人機挑発は韓国軍の対備態勢がどれだけお粗末なのかをありのままに見せた」と述べた。
さらに「最高水準の防空網を維持すべき首都ソウルの真ん中にまで侵入されたとすれば並大抵の深刻な事態ではない」と憂慮。「2014年には清渓山に墜落した北朝鮮の無人機を登山客が見つけるコメディーのような状況が起きたが、今回も韓国軍の対応は失望的だ」と嘆息し、「完全無欠な国防でないならばそれは国防ではない」とした。
東亜日報も社説で「軍の対応は懸念を超えて惨たんたる水準だ」と非難。「空軍はアパッチ、コブラなどの攻撃ヘリコプターをはじめとする軍用機20機を動員して100発を発射したが、無人機を撃墜できなかった。仁川市席毛島付近の鳥の群れを無人機と誤認し、住民に災害メールを発信したりもした」と皮肉った。
社説は「小型無人機の検知、攻撃兵器をはじめとする対応策の抜け穴が露呈したため、軍はこれを再点検し、防空システムの穴から埋めなければならない」と強調。「北朝鮮の無人機の侵犯はもとより、ICBM(大陸間弾道ミサイル)発射、局地挑発など対応する韓米合同防衛態勢も堅固にする必要がある」と主張した
朝鮮日報は社説で無人機による領空侵犯を受けて出撃した韓国空軍の軽攻撃機「KA1」1機が墜落した事故を取り上げた。
この中では「空軍機の墜落は今年だけでこれが6回目だ」と言及。「11月もKF16がエンジントラブルを起こし京畿道楊平の山岳地帯に墜落した。KF16は空軍の主力戦闘機だ。8月には京畿道華城沖合の海上に老朽化した空軍の戦闘機F4Eが墜落した。4月には慶尚南道泗川で2機の訓練用戦闘機KT1が空中で衝突し山の中に墜落。4人のパイロット全員が死亡した」などと続けた。
同紙はミサイル発射の失敗が相次いでいることにも触れ、「韓国軍は緩み切った綱紀を改めて粛正し、武器使用の手順全体を細かくチェックしなければならない」などと訴えた。(編集/日向)
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