Record China 2014年7月4日(金) 2時30分
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3日、安倍晋三内閣は日本国民からの強い反対の声を押し切り、公明党の合意をとりつけ、7月1日の臨時閣議で憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認すると正式決定した。写真は集団的自衛権の行使容認に反対する日本の民衆。
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2014年7月3日、安倍晋三内閣は日本国民からの強い反対の声を押し切り、公明党の合意をとりつけ、7月1日の臨時閣議で憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認すると正式決定した。(文:劉江永(リウ・ジアンヨン)人民網特約論説員、清華大学現代国際関係研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
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安倍内閣は今後、「自衛隊法」や「周辺事態法」などの法律の改正に取り組み、米軍と自衛隊の役割分担に関わる「日米防衛協力のための指針」をめぐり、米国と討論を重ねていく。これは、日本が「専守防衛」を徹底的に放棄し、米軍およびその他のいわゆる「密接な関係にある」国との共同作戦に向け、準備を整えたことを意味する。これは現行の日本国憲法の平和理念を公然と踏みにじる行為であり、歴史の流れに対する逆行であり、平和を愛する日本の人々からの反対に遭い、アジア隣国の警戒と反日感情を引き起こすことは必至だ。
安倍内閣が、対外的に武力を行使しようとたくらんでいることは明白だ。閣議決定文では武力行使の要件として、「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使する」としている。これらは一見、あいまいでいい加減な言い訳・仮説のように見えるが、その示すところは紛れも無く朝鮮半島と中国だ。このような事態は戦後約70年来で初めてであり、戦後に平和的発展の道を歩んできた日本にとって、全くの逆行となる。これのどこが、日本国民を保護することになるのだろう。数千人、数万人の日本国民と子供たちを再び死の戦地に送り込む行為に他ならないではないか!
今から120年前、日本政府は在外公館と在外邦人の保護を名義に朝鮮半島に出兵し、中国に対して日清戦争を仕掛けた。その前の1890年12月には、時の首相・山縣有朋が施政方針演説の中で、「日本の独立自衛を確保するには主権線の防御だけでなく利益線の保護が必要」と述べた。ここでいう主権線とは本国の国境であり、利益線とは主権線の安全と密接に関係する地域を指す。朝鮮半島は真っ先に日本の利益線と見なされた。この侵略・拡張論を打ち出した山縣有朋は、1894年に伊藤博文内閣の日本陸軍第1軍司令官に就任し、軍を率いて平壌に攻め込み、遼東半島まで進軍している。日本が朝鮮半島を併呑した後、いわゆる「主権線」の拡大に伴い、利益線が中国東北地区にまで拡大した。これは、後の満州事変(1931年)、盧溝橋事件(1937年)、さらには全面的な中国侵略戦争の発動という罪深い歴史につながるきっかけとなった。
現在、安倍内閣は「自衛」を名義に再び朝鮮半島を武力行使の対象として見なし、さらにフィリピンやベトナムなど、中国との領土争いを抱えている国も「密接な関係にある他国」に指定している。今年4月末のオバマ米大統領の日本・フィリピン訪問に後押しされ、日本・フィリピン・ベトナムは戦略的な協力を深め、さまざまな動きを見せている。
今後数年間で、日米の支援によりフィリピン・ベトナムの海空軍の実力が強化されれば、南シナ海で中国に対してさらなる挑戦を突きつけてくる可能性が高い。そうなれば、日米にとってはまさに「漁夫の利」だ。東シナ海と南シナ海で同時に中国に対して軍事的威嚇のある戦場を作り出すことができる。それだけではない。安倍首相の戦略の手はNATO(北大西洋条約機構)にまで伸びており、より大きな範囲で「暴力的多国間主義」を通じて中国をけん制しようとしている。
安倍首相の計画は周到だが、世界の平和的発展の流れに逆らえば人々の心をつかめるはずが無く、最終的には失敗に終わるだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)
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